飲食店のアルバイトがすぐ辞める。続かない原因と長く働いてもらえる教育方法が知りたい!

人手不足が続く飲食業界。ようやくアルバイトを雇ったのに、1カ月もたたないうちに辞めてしまったというケースは珍しくありません。しかも1人、2人ではなく立て続けに……となれば、対策を打つ必要があります。では、アルバイトが辞めない飲食店になるには、どうすればいいのでしょうか。辞めてしまう原因とともに、長く働いてもらえる職場環境や教育・指導方法について紹介します。

アルバイトが辞めてしまう、その原因は?

厚生労働省の雇用動向調査によると、飲食業界の離職率はワースト1と不名誉な結果に。せっかく雇ったアルバイトが辞めてしまう理由は何なのでしょうか。

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辞めるとき理由を聞いても円満に退社したいアルバイトは本当の理由はなかなか教えてくれないことが多い。「学業が忙しくて」「家庭の事情で」など、理由をうやむやにされることも。本当の原因はなんだろうか?

1.雰囲気が合わない

同じ飲食店で働いていても、店の雰囲気に合う人・合わない人がいます。本人の性格がもともと社風やノリに合わなかったり、他のアルバイト仲間の話題にうまく入れなかったりすると、疎外感を覚えてしまうことがあるでしょう。

2.条件に不満がある

なかなか時給が上がらない、勤務時間が長いなど、希望する条件が職場と合わないことも原因の一つ。不満が長期間続いたり複数あったりすると、仕事へのモチベーションを保ちにくくなります。

3.休みが取れない、希望のシフトに入れない

学生や主婦も多いアルバイトスタッフ。休みを取りたい日や出勤できる時間帯が決まっている人も多いと言えます。無理にシフトを埋めたり勤務時間を変更したりすると、プライベートと両立できず、アルバイトを続けることが難しくなるでしょう。

4.人間関係に悩みがある

飲食業界に限らず、どの業界にも付きものである「人間関係の悩み」。上下関係が異常に厳しい、パワハラ・セクハラといったことがあれば、店全体で改善を検討する必要があります。

5.仕事内容に悩み・不満がある

仕事を始めてまだ慣れないころは、仕事がこなせないことを一人で抱え込んでしまう人も。特にアルコールを提供する店では理不尽なお客さまもいるため、不満を募らせることも多いものです。このようなストレスに耐えきれず、仕事に慣れる前に辞めてしまうケースもあります。

もしかしたら本音はこうかも…?

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もう2年も働いてリーダーも任されてるのに時給は変わらないまま。隣駅の居酒屋のほうが時給もいいし、そっちに乗り換えようかな。

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しつこくセクハラをする常連のお客様にもうウンザリ…。店長に相談しても何もしてくれないし、接客はもうやめたいな……

ミスマッチを防ぐための求人&面接術

離職率を下げるためには、採用する側・される側のミスマッチを防ぐ必要があります。アルバイトの採用面接時に確認しておくべきことは、どんなことでしょうか。

1.求人の際はターゲットを明確にする

店が求めているのはどんな人材ですか。ランチタイムの数時間だけ働ける主婦(夫)、夜のシフトにがっつり入れる稼ぎたい学生、接客が得意な明るい人など、ターゲットを明確にして求人募集を行いましょう。

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深夜のシフトが足りないな。0時まで入れるように家が近くて、アルバイト初心者でも清潔感と体力がある学生さんがいいな。

2.勤務日・時間をすり合わせる

希望する勤務日や時間については、面接時にすり合わせを行います。入社後に不満が出ないよう、相手の希望もしっかりヒアリングしましょう。

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シフトは週3回以上、金土曜のどちらかは0時までのシフトにはいってもらいたいんだけど大丈夫かな?
学業優先で構わないけど、大学のサークルやテストの予定があるときは事前に教えてね。

3.給与面や仕事内容、職場の雰囲気をしっかりと伝える

昇給制度を含む給与、具体的な仕事内容、職場の雰囲気などを明確に伝えます。昇給を検討してないにもかかわらず、「頑張り次第で可能」といったあいまいな言葉で濁すことはやめましょう。

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主な業務はホールの接客。入って最初の3ヶ月間は950円で、3ヶ月後から1,000円にアップするよ。1年続けると希望があればバイトリーダーにも昇格できるよ。バイトリーダーになったら時給は1,200 円にアップするよ。うちのお店は日本酒が特色なので、種類をたくさん覚えてもらうことになるよ。

アルバイトを受け入れるときにやるべきこと

いよいよ新しいスタッフがやってくる!事前に準備しておくこと、初日に伝えるべきことをチェックしておきましょう。

アルバイトの受け入れは初日が肝心!しっかり準備しておき、はやく仕事になじめるように準備しよう

1.新人アルバイトが入ることを事前に伝える

今いるスタッフには、新しいスタッフを雇ったことを事前に伝えておきます。新しいスタッフの必要性を共有し、歓迎ムードで迎えましょう。

2.お店のルールを共有する

お店ならではのルールや方針は、早めに共有します。身だしなみや声かけ、休憩室の使い方など、新人スタッフにとっては分からないことだらけ。迷わないようしっかりサポートしてください。

3.仕事の内容を目的とともに伝える

店として、スタッフに求める仕事内容と目的を伝えましょう。できれば店長や責任者クラスから伝えると、本人のモチベーションアップにつながるのでおすすめです。

4.歓迎会を開く

新型コロナウイルス感染防止対策を念頭に置きながら、可能であれば初日に歓迎会を開くといいでしょう。小さな規模でも大丈夫です。新人スタッフにとっては、先輩や同僚のことを知って距離が縮まる機会となり、打ち解けやすい雰囲気づくりに役立ちます。

アルバイトを長続きさせるための職場環境とは?

せっかく雇ったアルバイトを長続きさせるには、職場環境を整えることが大切です。どんなことに気を付ければいいのでしょうか。

1.マニュアルに沿ったブレない教育を行う

アルバイトからは「指導する人によって言うことが違う」「何度も尋ねるのは気が引ける」という声も……。そこでおすすめなのが、マニュアルの作成です。業務全体の流れや接客マナー、クレーム対応のやり方などを記載します。マニュアルができたらスタッフ全員に目を通してもらい、改善点を取り入れて完成させ、定期的に見直しましょう。

2.昇給制度やインセンティブ、福利厚生を導入する

昇給制度やインセンティブは、スタッフのやる気アップにつながります。「1年以上勤続で時給アップ」「●●試験に合格すればインセンティブあり」など、明確に基準を伝えましょう。例えば大手チェーン「串カツ田中」(株式会社串カツ田中ホールディングス)では、成果を出した店舗にインセンティブとして賞金や旅行を用意しています。社割でお店を利用できるといった福利厚生もおすすめです。

3.アルバイトのアイデアも積極的に取り入れる

店づくりについては、まだ経験が浅いアルバイトからも積極的にアイデアを募るといいでしょう。風通しのいい職場にすることで、働きやすさはもちろん、仕事のやりがいアップにもつながります。

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アルバイト最初は面倒くさいなぁ思ってたけど、メンバーのみんなで協力して売上目標を達成したら、時給も上がってやる気になった!

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新メニューが出る時はバイトも含めて必ず意見の交換会をするんだ。この前は僕の意見が採用されて、嬉しかったなぁ。

アルバイトの上手な叱り方は?

アルバイトの不注意を注意したり叱ったりしたことがきっかけで、辞めてしまったというケースは少なくありません。きつく言い過ぎないように、叱り方のポイントを押さえておきましょう。

1.「怒り」をぶつけない

叱るときは「怒り」の感情をぶつけてしまうことを避け、事実を伝えることに徹しましょう。怒りをぶつけてしまうと、アルバイトスタッフは畏縮してしまいます。叱られることを恐れてうまく動けなくなり、負のループに陥ってしまうこともあるでしょう。

2.改善すべき具体的な行動を伝える

「ダメ」だけではなく、何をどうすればうまくいくのか具体的な行動を伝えてください。例えば「オーダーをミスしないためにお客さまの前で復唱しよう」など、改善のために必要なアクションが分かれば、すぐに実行に移せます。

3.励ます、褒めるなどポジティブな言葉で締める

叱られたときのネガティブな感情は、誰しも引きずりたくないもの。叱ったあとは、「オーダーミスが減ったらキッチンスタッフも喜ぶよ」といったポジティブな言葉で締めくくりましょう。

4.人格や能力を否定することは絶対にNG!

絶対に言ってはいけないのが、ミスと直接関係ない言葉です。「これだから若いやつはだめだ」「そんなこともできないの?」など、理不尽に相手を傷つける言葉は使わないようにしましょう。

5.小まめに褒めることも大切!

ミスしたことを叱るだけでなく、「褒める」ことも大切です。成功したときやいい行動をしたときは、小さなことでも声に出して褒めるようにします。ミスが改善されたら、「今のは良かったね!」とすぐさま声掛けをしましょう。

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今日の「いらっしゃいませ」元気でいいね〜。一気にお店が明るくなったよ。ありがとう!

職場の環境づくりを見直そう!

アルバイトを始めたばかりの新人は余裕がなく、ちょっとしたミスやつまずきから「辞めたい」と思ってしまうかもしれません。そんなとき、気軽に相談できる店長や手を差し伸べてくれる先輩、同僚がいれば、踏ん張れることが多いものです。アルバイトを雇うときは、スタッフが一丸となってサポートできるような職場環境づくりをしておきましょう。

written by

FOOD-IN編集部

FOOD-IN編集部ライターが未来の飲食店をつくるための経営ノウハウをどのメディアより”分かりやすく”をモットーにお届けします。