飲食店の職場恋愛はアリ、ナシ? 思わぬ落とし穴も!?

職場恋愛という言葉があるように、一緒に働く男女は恋愛関係に発展しやすいもの。それは飲食店でも同様です。「恋愛は個人の自由」との声もありますが、飲食店を運営する上ではリスクが伴います。職場恋愛が発覚したとき、店長としてあなたはどう対応しますか。

どうやらバイトリーダーの〇〇君と、ホールの△△さんが付き合っているらしい!うちの店は恋愛禁止のルールを設けているわけじゃないけど、大丈夫だろうか……?

飲食店で、職場恋愛が生まれやすい理由

カップルのなれそめを聞くと「バイト先で知り合いました」「仕事先の先輩と後輩です」という答えがよく返ってくるように、一緒に働く仲間に対して恋愛感情を抱くことは珍しくありません。中でも、飲食業界は職場恋愛が多いと言われています。それはどうしてでしょうか。

理由1:連帯感や仲間意識が恋愛感情に発展しやすいから

飲食店ではスタッフ同士が助け合って仕事をするため、連帯感や仲間意識が生まれやすいでしょう。スタッフの連携がスムーズになり、店舗全体がアットホームな雰囲気になるので、運営する上でも好ましい傾向と言えます。

その反面、連帯感や仲間意識が強いからこそ、ふとしたきっかけで恋愛感情に発展しやすいのです。同僚も知らないうちにカップルが成立していた、ということも多々あります。

理由2:仕事を通じたコミュニケーションが距離感を縮めるから

大手居酒屋やファミリーレストランなどでは、大勢のスタッフが連携して店を回すため、常にコミュニケーションが不可欠です。キッチンスタッフ同士、またホールスタッフとキッチンスタッフなどは仕事を通じた会話が多く、自然と距離感が縮まる傾向にあります。定休日に遊んだり、仕事終わりに飲みに行ったりなど、プライベートでも顔を合わせる機会が増えるかもしれません。その間に仲良くなれば、恋愛関係に発展しやすくなるでしょう。

理由3:尊敬心から恋愛感情が生まれやすいから

学生や若いスタッフにとって、アルバイト先の店長や先輩スタッフは「尊敬できる存在」と言えます。テキパキと仕事をこなす姿や巧みに調理する姿を見たり、誠実な態度や熱意に接したりすると、尊敬心が強くなり恋愛感情が芽吹くこともあります。

それホント? 実はリスクが高い職場恋愛

職場恋愛はいくら当事者同士が隠していても、態度の違和感や何気ない言動からバレてしまいがちです。職場恋愛にはメリットもありますが、実はリスクも潜んでいます。

職場恋愛のメリットとデメリット

職場恋愛の最大のメリットは、仕事に対してモチベーションがアップすることでしょう。職場に恋人がいるだけで通勤も苦になりませんし、「よりいい自分を相手に見せたい」という気持ちが働き、仕事に対して前向きに取り組めるようになります。お互いの悩みを相談したり励まし合ったりすることで、スキルもアップできるでしょう。

一方、デメリットもあります。それは、いくら同僚に秘密にしていてもバレずに関係を続けるのは非常に困難ということです。仕事仲間に冷やかされる程度ならまだしも、時には嫌みや陰口を言われることも。するとスタッフ同士の関係がギクシャクし、連携がうまくいかなくなったり、シフトを組みにくくなったりします。当事者同士であるカップルがもめたり別れたりした場合はなおさらです。恋愛関係のもつれが原因で、突然辞職する人も珍しくありません。その結果、人手が足りなくなるリスクも生まれます。

ネット社会ならではのリスクも

「バイトテロ」が問題になったように、職場恋愛がネット上で拡散されるリスクもあります。「あそこの店の店長はバイトに次々と手を出している」「ホールスタッフの△△さんは客によって態度を変える」などとうわさが立てば、集客やスタッフ採用に影響が出ます。一度ネットで中傷を受けてしまうと、たとえその事実がなくてもうわさを消すことは困難でしょう。結果として、これまで築き上げてきたお客さまとの信頼関係が崩れ、評判が落ちてしまう可能性があります。

就業規則で社内恋愛を禁止するのはどうなの?

このようなトラブルを避けるため、就業規則でスタッフ同士の恋愛を禁止する企業もあります。しかし、プライベートな部分である恋愛をあまりに制限してしまうと、「ブラック企業」という印象を与えかねないので注意が必要です。

スタッフが10人以上いる店舗では「就業規則」が必要

従業員が10人以上になると、就業規則を作成し労働基準監督署に届け出る必要があります。事業所単位で判断されるので、例えば複数の店舗を経営していて、1店あたりの従業員が9人以下の場合、就業規則を届け出る義務はありません。しかしスタッフの出入りが多い飲食業界では、トラブルの元になる人物が入り込むリスクも高いため、企業規模にかかわらず就業規則を定めたほうが無難と言われています。

就業規則での「社内恋愛禁止」は違法?

就業規則で社内恋愛を禁止することは違法ではありません。しかし、社内恋愛が発覚したとしても、そのことを理由に懲戒処分を行うことはできないと言えます。対策として、業務とプライベートを区別するよう服務規定で明確に示したり、スタッフのルールブックを作成したりして、節度のある交際や社会人としての常識、マナーを周知するようにしましょう。

スタッフ同士の恋愛は節度をもって

飲食店は学生や若者層を雇用する機会が多く、スタッフ同士の恋愛はある程度避けられません。上手に対応すれば、カップルならではの連携で素晴らしい仕事ぶりを発揮し、貴重な戦力になることもあります。その反面、恋愛トラブルが職場に持ち込まれ、業務に支障が出るリスクもあるでしょう。店長はスタッフの恋愛を見守りつつ、店を運営する責任者として自覚を持ち、店舗運営に支障をきたしかねない場合は注意を促すといった対応が求められます。

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