2023年、マクドナルドやスターバックス、吉野家など、多くの飲食企業がモバイルオーダーシステムを導入しています。
モバイルオーダーシステムの導入は、巷で言われているように人手不足の解消に役に立つのでしょうか。また、インバウンド需要やリピート促進にも効果があるとも言われていますが、その実態はいかがなものでしょうか。
今回は、モバイルオーダーとはどんなシステムなのか?メリットだけでなくデメリットはあるのか?など、店舗目線とお客様目線両方の視点で解説していきます。
- モバイルオーダーとは?
- モバイルオーダーが注目されている理由
- モバイルオーダーの仕組み
- モバイルオーダーの種類は3つ
- モバイルオーダーの導入メリット
- モバイルオーダーの導入デメリット
- モバイルオーダー導入飲食店の成功事例
- まとめ
モバイルオーダーとは?
モバイルオーダーとは、顧客が自身のスマートフォンやタブレットから商品の注文や決済を行えるシステムです。席から注文するイートイン飲食型のモバイルオーダーと、自宅や勤務先などの店外から持ち帰り商品を注文するテイクアウト型のモバイルオーダーの大きく2つの種類があります。
従来、スタッフが対応していた注文や決済をお客様自身が行うことで、飲食店の人手不足解消や業務効率化につながると期待されています。
モバイルオーダーの成功事例について解説中
モバイルオーダーが注目されている理由
飲食業界で今モバイルオーダーが注目されている理由のひとつに、モバイルオーダーが飲食店の深刻な人手不足の対策になるというメリットがあります。
モバイルオーダーは、飲食店業務のなかで大きな割合を占める「注文」と「会計」をお客様自身で行なっていただくもの。飲食店にとっては、少ない人数で効率よく店舗運営できると期待されています。
また、モバイルオーダーは多言語機能がついているものもあり、飲食店のインバウンド対策としても注目を集めています。
多言語機能を利用すると、メニューが英語や中国語などの多言語で表示され、そのまま注文やオンライン決済をすることが可能です。
そのほか、「待ち時間なく商品を受け取れる」「じっくりと選べる」といった点で、モバイルオーダーに対して利便性を感じるお客様が増えたことも、モバイルオーダーが注目を集める理由の一つと考えられています。
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モバイルオーダーの仕組み
お客様が閲覧するモバイルオーダーの注文ページは、導入しているモバイルオーダーのシステムサーバーにメニューや店舗情報などを登録することで作成されます。(①)
注文ページはwebタイプとアプリタイプの2種類があり、お客様は自身のスマートフォンやタブレットから、それぞれに応じた方法で店舗の注文ページにアクセスします。表示された注文ページからメニューを閲覧し、好みのメニューをカートに追加し終えたら、注文を送信します。(②)
注文データはモバイルオーダーのシステムサーバーを通じて、店舗にある注文管理タブレット・スタッフ専用端末・プリンターなどに送られ、スタッフは各機器から注文データを確認し、調理を行います。(③、④)
モバイルオーダーの種類は3つ
モバイルオーダーは、飲食店の使用用途によって異なる3つの種類があります。
- テイクアウト型モバイルオーダー(テイクアウトモバイルオーダー)
- イートイン型モバイルオーダー(QRオーダー/テーブルオーダー)
- キャッシュオン型モバイルオーダー(飲食前に注文会計を行うモバイルオーダー)
ひとつずつ仕組みやポイントを解説します。
テイクアウト型モバイルオーダーとは
テイクアウト型モバイルオーダーとは、店外にいるお客様がテイクアウトの商品を来店前に事前注文するシステムです。
従来、電話や店頭で注文を受け付けていたテイクアウトをモバイルオーダーにすることで、注文・会計業務の削減や、お客様の待ち時間を短縮することが可能になります。
飲食店の公式SNSやアプリ、Googleマップなどから、お客様は注文したい店舗を探し、それぞれのサイトやアプリに設置してあるリンクより注文ページを表示します。 支払い方法はキャッシュレス決済を採用しているものも多く、クレジットカードを始めICカードやQRコード支払いなどに対応しているシステムもあります。
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イートイン型モバイルオーダーとは
イートイン型モバイルオーダーとは、イートインのお客様が席からスマートフォンを通じて料理を注文するセルフオーダーシステムです。
QRオーダーやテーブルオーダーなど呼称されることもあります。
居酒屋やレストランなどイートイン店舗で利用されており、店舗規模が大きかったり、食べ飲み放題など注文業務でスタッフが呼ばれることの多い業態で多く活用されています。
イートインのお席についたお客様は、テーブルなどに設置されたQRコードを自身のスマートフォンで読み込み、メニューを閲覧します。注文したいメニューを選んで送信すれば注文が完了です。
システムによってはお客様のスマートフォンから決済することも可能なため、イートイン型モバイルオーダーは多くのホール業務を削減することができます。
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キャッシュオン型モバイルオーダーとは
キャッシュオン型モバイルオーダーとは、飲食前に店頭で注文・会計・料理の受取をする、前会計型のモバイルオーダーです。イートインとテイクアウト、どちらも可能なカフェやファストフード店で多く用いられています。
店舗に来店したお客様は自身のスマートフォンでQRコードを読み取り、表示されたメニューから頼みたいメニューと決済情報を入力して注文送信。出来上がり次第料理を受け取ります。会計済みのため、お客様は飲食を終え次第そのまま退店することが可能です。
キャッシュオン型モバイルオーダーは、飲食前にお会計を行うという点でテイクアウト型モバイルオーダーと同様のため、大きく分類するとテイクアウト型モバイルオーダーに含まれる場合もあります。
モバイルオーダーの導入メリット
モバイルオーダーには、人手不足やリピーター促進、インバウンド需要など飲食店舗にとってのメリットだけでなく、お客様側のメリットも多く存在します。
ここでは、店舗側、お客様側に分けてメリットをご紹介します。
モバイルオーダーのメリット(飲食店側)
モバイルオーダーの飲食店側のメリットを、6つ紹介します。
①注文受付・会計業務が削減できる
②スタッフの注文ミスを防止できる
③卓上タブレットより安価
④デジタルメニューでコスト削減&訴求力アップ
⑤客単価UPが見込める
⑥インバウンド対策になる
詳しく解説していきます。
■飲食店メリット①注文受付・会計業務が削減できる
モバイルオーダーは、お客様自身がスマートフォンから注文や決済を行うため、スタッフの注文受付・会計業務が削減できます。
テイクアウト型モバイルオーダーは、今まで電話や店頭で受けていた注文がなくなり、電話対応に時間を取られることも、店頭注文に専任スタッフを立たせることも必要なくなります。
イートイン型モバイルオーダーであれば、お客様からの呼び出しで作業を中断して注文を伺うことや、会計に時間を取られることが減り、ホールスタッフは配膳やバッシングに集中する事ができます。
モバイルオーダーによる業務の削減は、他業務への注力や人手不足の解消に役立てられるほか、空いた時間をお客様への細やかなサービスに充てることも可能です。
■飲食店メリット②スタッフの注文ミスが無くなる&食品ロス防止
モバイルオーダーはお客様自身が注文を行うため、スタッフの注文聞き間違えによるミスを防止することができます。
通常はホールスタッフがお客様から直接オーダーを聞き取りますが、聞き間違えや、ハンディの操作ミスにより注文を間違えてしまうことがあります。注文ミスは、お客様に迷惑がかかるだけでなく、廃棄が発生して食品ロスにつながってしまう・キッチンスタッフの作業が増えるなど、多数のデメリットが発生します。
スタッフによる注文ミスを防止し、メニュー原価や人件費の無駄を発生させないことも、モバイルオーダーの大きなメリットです。
■飲食店メリット③卓上タブレットより安価&メンテナンス不要
飲食店のセルフオーダーシステムのなかで、モバイルオーダーと比較されることが多い卓上タブレットですが、導入コストを比較するとモバイルオーダーは卓上タブレットの1/10ほどといわれています。
卓上タブレットは、各テーブルにタブレット端末と充電器具を設置するため、テーブル数分の端末費用、および常に充電しておくための配線工事が必要ですが、モバイルオーダーはお客様のスマートフォンを使用するため不要です。
また卓上タブレットは、除菌や端末のメンテナンスなど、導入後の管理にも一定のコストがかかりますが、モバイルオーダーは管理コストもほとんどかかりません。
>>イートイン型モバイルオーダーシステム「O:der Table」の詳細をみる
■飲食店メリット④デジタルメニューでコスト削減&訴求力アップ
モバイルオーダーを導入すると、今まで使用していた紙メニューは不要になります。
新しいメニューは、モバイルオーダーの管理画面から追加します。これまで新メニューや季節のメニューを出すたびに掛けていたデザイン費用や印刷費用はかからなくなります。
>>店外型モバイルオーダーシステム「O:der ToGo」の詳細をみる
■飲食店メリット⑤客単価アップが見込める
デジタルならではのメリットとして、メニューにあわせたレコメンドメニューを出せることも挙げられます。
具体的には、お客様が選んだメニューに対して合うお酒を提案したり、一緒に食べることをオススメするメニューを提案したりすることで合わせ買いをアシスト。そのため、客単価のアップが期待できます。
また、スタッフを呼び止める必要も無いため、ピークタイムなどのお客様の注文機会を逃すこともなく、客単価が上がった事例も多く聞かれています。
■飲食店メリット⑥インバウンド対策になる
モバイルオーダーは飲食店のインバウンド対策としても注目されています。
多言語機能があるモバイルオーダーであれば、登録してある店舗情報やメニュー情報を英語や中国語などの様々な言語で表示する事ができ、海外のお客様にも安心してご利用いただくことができます。
これまでインバウンド対策として作成していた、海外のお客様向けに専用のメニューブックは必要なくなり、苦戦しがちな注文受付や会計業務もなくなります。 お水のサービスや会計もモバイルオーダー上で対応できるため、多言語対応できるスタッフがいなくても、海外のお客様への対応が可能です。
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モバイルオーダーのメリット(お客様側)
モバイルオーダーのお客様側のメリットを、5つ紹介します。
①店舗でのテイクアウト待ち時間を短縮できる
②テイクアウト時にゆっくりメニューを見て注文できる
③注文のたびに、店員を呼ぶ必要が無くなる
④注文したいメニューを検索できる
⑤グループ利用でも、一人一人が手元でメニューを閲覧できる
詳しく解説していきます。
■お客様メリット①店舗でのテイクアウト待ち時間を短縮できる
モバイルオーダーでテイクアウトをする際、商品の受取時間指定をして注文することで、店舗内で出来上がりを待つことがなくなります。
大量注文をする場合や店舗が忙しいランチ・ディナー帯などは、どうしても商品のお渡しに時間がかかってしまいます。
しかしモバイルオーダーは、出来上がりに時間に合わせて調理ができるため待ち時間が発生せず、お客様をお待たせすることがありません。
■お客様メリット②テイクアウト時にゆっくりメニューを見て注文できる
店頭でテイクアウトを注文する場合「店頭のスタッフを待たせたら悪い」「後ろのお客さんに迷惑がかかる」など、ゆっくりメニューを選ぶ余裕が無い場合があります。
モバイルオーダーなら、お客様自身がレジに並ぶことなく商品の注文と決済を行うため、自分のペースでじっくりとメニューを見て注文することができます。
ゆっくり選べることで、オプションの購入数が増えたり、家族分のテイクアウトが増えるなど、売上に対する効果も期待できます。
■お客様メリット③注文のたびに、店員を呼ぶ必要が無くなる
イートイン型モバイルオーダーを導入すると、お客様は店員を呼ばずに商品の注文をしたり、お会計を行えるようになります。
飲食店を利用するお客様からは、「店員を呼んでも来ない」「店員が忙しそうで注文しづらい」などのストレスを抱える方も多くいます。そのため、モバイルオーダーで好きなタイミングで注文できることは、お客様にとって大きなメリットになっています。
■お客様メリット④注文したいメニューを検索できる
メニューの多い居酒屋など、注文したいメニューをメニューブックから探すのに手間取った経験は誰しもあるはず。モバイルオーダーなら、注文したいメニューを検索することができます。※モバイルオーダーシステムにより機能が無い場合もあります。
注文したいものを探す手間が省けるため、お客様はストレスなくスムーズに注文することが可能です。
>>イートイン型モバイルオーダーシステム「O:der Table」の詳細をみる
■お客様メリット⑤グループ利用でも、一人一人が手元でメニューを閲覧できる
グループ利用の場合、これまではメニューブックを順番に見て注文を決めていました。
しかしモバイルオーダーなら、来店している全員のスマートフォンから一つのテーブルの注文ページにアクセスすることができるため、それぞれでメニューを見ることができます。
モバイルオーダーによっては、他の人が注文したものも閲覧できるため、そこから自分の頼みたいメニューが見つかることも。
ドリンクのおかわりなども、他の人と一緒に頼もうと注文をセーブすることも多くありましたが、モバイルオーダーならその必要はないため気兼ねなく注文することもできます。
モバイルオーダーの導入デメリット
モバイルオーダーの導入にはもちろんデメリットもあります。
店舗側デメリット、お客様側デメリットに分け、いくつかご紹介します。
モバイルオーダーのデメリット(飲食店側)
■お客様との対話機会減
モバイルオーダーにすることで、注文業務が削減されます。人件費を削減したいのであれば問題ありませんが、お客様へのおもてなしを大切にしている飲食店からすると、おもてなしの機会が減ってしまうという見方もあります。
しかし、注文業務でないと対話できないということはなく、手の空いたスタッフは新メニューやおすすめのメニューを紹介しにテーブルを回ったり、ドリンクグラスが空いたお客様におかわりをおすすめしたり、対話をよりよくする方法もあります。
機械にできることはモバイルオーダーに、人は人にしかできない業務を行うことで、おもてなしを厚くすることは可能です。
>>>モバイルオーダーでおもてなしに取り組む事例はこちら
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■導入コストがかかる
お客様のスマートフォンで行うモバイルオーダーですが、やはり多少のコストはかかります。例えば、店舗スタッフ用端末だったり、キッチン飛ばした注文を印字するためのプリンターだったり。
しかし、業務削減分のコストや紙メニューブックが不要になる分など、削減されるコストも多く、数年で考えると大きなコストではありません。お客様の満足度向上や注文単価アップなどもモバイルオーダーでは見込めます。
また、注文システムとして卓上タブレットがありますが、卓上タブレットの導入費用と比較するとモバイルオーダーの導入コストは10分の1だと言われています。
>>>卓上タブレットと比較した事例はこちら
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モバイルオーダーのデメリット(お客様側)
■会員登録などの手間がかかる場合がある
モバイルオーダーには、会員登録が必須となるものも多くあります。アプリ型などで特に多く見られます。会員登録には慎重になる方も多く、登録が必須の場合、注文前に離脱してしまう可能性があります。
会員登録のメリットもありますが、会員登録をお客様側が選べるようなシステムであれば、お客様の利用ハードルを下げられる可能性が高いです。
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■セキュリティが不安
モバイルオーダーシステムを運営している企業は、セキュリティを強固にしていますが、お客様側になかなか伝わらないことも多く、クレジットカードの入力など拒んでしまうお客様もいらっしゃいます。 お客様の不安を払拭するためにも、セキュリティがしっかりしており、大手企業も導入しているサービスを選択しましょう。
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モバイルオーダー導入飲食店の成功事例
吉野家(テイクアウト型モバイルオーダー)
吉野家(株式会社吉野家)は2019年からモバイルオーダーの導入に着手しており、早い時期からデジタル化に注目していました。お客様の「テイクアウトの待ち時間を減らしたい」というニーズがあったこともあり、デジタル化でお客様の満足度を改善したことで、売上増加につなげました。
丸亀製麺(テイクアウト型モバイルオーダー)
DX推進でも名前を聞くことも多い丸亀製麺(株式会社トリドールホールディングス)は、コロナ禍の2021年に一気に全国600店舗へモバイルオーダーを導入をしました。 丸亀製麺ではモバイルオーダーの導入で終わらずお客様が良いと思える体験にすることを重視し、テイクアウト商品専用の受取窓口を設置したり、スタッフのオペレーションの見直しを図るなど、お客様目線での導入を行っています。
大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん(イートイン型モバイルオーダー)
大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん(株式会社 一家ダイニングプロジェクト)では、同店が大切にする“おもてなし”をより徹底していくためにモバイルオーダーを導入しました。
お客様のモバイルオーダー利用率は80%。注文業務をモバイルオーダーでカバーして効率化することで、スタッフはお肉を焼いたり、おかわりを勧めたりといったアクションに注力しています。
>>>「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」の導入事例を詳しく見る
まとめ
モバイルオーダーについて、仕組みから導入するメリット・デメリットなどを解説してきました。
現在モバイルオーダーの導入を検討している飲食企業は多く、システムも様々にあります。
お客様にとっても店舗スタッフにとっても使いやすく、店舗の運営方法に合ったモバイルオーダーをお選びください。
>>>4500店舗導入実績のモバイルオーダーシステム O:derPlatform
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written by
FOOD-IN編集部
FOOD-IN編集部ライターが未来の飲食店をつくるための経営ノウハウをどのメディアより”分かりやすく”をモットーにお届けします。