飲食店には欠かせない写真撮影。大規模なリニューアルの際はプロに頼む場合も多いかもしれませんが、最近はSNSやGoogleマイビジネスなど、ひんぱんに更新したい場所も増えています。「スマホで完結させたいけど、なんだか納得いく写真に仕上がらない…」そんなお悩みを抱えている方も多いのでは。本連載では、スマートフォンで見栄えの良い写真をとるためのコツをご紹介します。第5回は、業態別の撮影ポイント・居酒屋編です。
第4回はこちら
【事例付き】飲食店のメニュー撮影、ポイントは角度と構図にあり!
居酒屋での撮影で意識すべきことは?
お酒とともにいろんな料理を楽しむ居酒屋。季節によってメニューの変更を行ったり、その日の仕入れによって新しいメニューを出す店も多いですよね。撮影方法もメニューの特徴や伝えたい内容によってバリエーションを持っておきたいところです。
お時間がある方は、連載第1回にでご説明した基本の撮影方法をおさらいしてから読み進めていただくことをおすすめします。
明るい場所で撮影する
雰囲気を演出するために営業中の照明を暗めに設定している店舗も多い居酒屋。 しかし、写真を撮る際に光はとても大切な要素になります。そのままの状態で撮影してしまうと、思ったイメージに仕上がりづらくなります。
暗い写真の特徴
・ノイズが多く、荒い写真となる
・コントラストが減り、ぼんやりした印象になる
→結果「おいしくなさそう」な写真になってしまう!
1)店舗で一番スポットライトが当たる明るい場所を探す
店内でもポジションによって明るさが異なる場合があります。一番明るいポイントを探してください。
その際、本連載第3回でご紹介したような撮影場所に適さないテーブルは避けましょう。
2)日光を活かせる昼に撮影する
外からの光が入りやすいお店の場合、夜はどうしても暗くなりがちです。撮影は昼に行うことをおすすめします。
3)撮影用にクリップライトなどを購入し明るさを補う
どのポジションで試してみても十分な明るさを確保できないと感じた場合は、撮影用にクリップライトを購入し使用する選択肢を検討してください。
撮影する店舗が【電球色】の場合は同じ電球色のクリップライトを、店舗が【蛍光灯色】の場合は同じ蛍光灯色のライトを選びましょう。店舗の照明色と違う色を選んだ場合、青緑がかった写真になってしまうので注意してください。
参考までにAmazon掲載商品をご紹介します。
2000円でまずトライ:こちら。コンパクトでUSBで充電できるため扱いやすいです。
5000円台でより高性能:こちら。ただし、スタンドが別売なので別途購入もしくは撮影補助要員が必要です。
1万円台で高輝度のライト:こちら。安価なライトで物足りなかった経験がある方はこちらご検討を。
※ご紹介している商品はあくまで一例です。ご購入の際はご自身の判断でお願いいたします。
お酒を映り込ませる
お酒を飲む雰囲気をイメージしてもらいやすい写真もぜひ取り組んでください。
背景に映り込む程度にお酒を配置したり、お猪口などに水を入れたりして、実際にお酒を飲む雰囲気を作り出して撮影すると、食欲をそそる写真になります。
ただし、料理を紹介することをメインの目的とする写真の場合、あくまでドリンクは脇役。見せたい料理を目立たせるよう意識しましょう。 たとえば、下記の写真のようにメニューとドリンクが写真内で同じ大きさだと、何を見せたいのか伝わりにくくなりがちです。
写真に収まる要素として、メインに置きたい料理を7割、ドリンクを3割程度の割合を目安に配置すると、何を見せたいかはっきりし、また料理に目線を集めやすくなるため内容もしっかり伝わります。
箸上げをする
箸やフォーク、料理にあった食器類を使って、料理を口に運ぶシーンを想像してもらえるような写真もぜひ取り入れてみてください。
「箸上げ(はしあげ)」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、こちらは箸やスプーンなどで食材を持ち上げる撮影手法を指します。グルメ番組などでも広く活用されている方法で、動きをつけることによりインパクトある写真に仕上がります。
箸上げ撮影のポイントは「高く上げすぎない」ことです。 料理から2〜3cmほどだけ上げ、料理の皿をしっかり背景に入れることを意識しましょう。
1人で撮影する場合は、利き手で箸を持ち、反対の手でスマートフォンを持つと良いでしょう。
使用する箸はきれいなものを使う
意外と見落としがちですが、箸上げ写真では箸先部分に注目が集まるため、古くて先端が劣化していたり変色しているものは避けましょう。できるだけ新品に近い、見た目がきれいな箸(またはフォーク、スプーン)を選んでください。
撮影する角度、距離など、基本の撮影はこちらからおさらいしてくださいね。
スマホでOK!飲食店の撮影、基本の“キ”
第5回はここまで。次回は「焼肉店編:業態別飲食店のメニュー撮影のコツと注意点」をご紹介します。