飲食店には欠かせない写真撮影。大規模なリニューアルの際はプロに頼む場合も多いかもしれませんが、最近はSNSやGoogleマイビジネスなど、ひんぱんに更新したい場所も増えています。「スマホで完結させたいけど、なんだか納得いく写真に仕上がらない…」そんなお悩みを抱えている方も多いのでは。本連載では、スマートフォンで見栄えの良い写真をとるためのコツをご紹介します。第1回は、撮影における基本中のキホンから。
レンズを拭こう
どんな写真を撮るときも、まず行っていただきたいのがこちら。
スマートフォンのカメラのレンズは剥き出しなので、きれいにしているつもりでも、実は知らないうちに汚れがついてしまっています。飲食店の勤務中に使っているスマートフォンであればなおさら、料理の油がついていることも。
防水機能のあるものであれば水で濡らしてからしっかりと絞った布で一度拭き、その後必ず乾いた布で乾拭きを行ってください。防水機能がない場合は乾拭きのみ行いましょう。
汚れがついているかついていないかチェック
スポットライトや電球の光などをスマートフォンで写し、光が伸びれば汚れがついている証拠。しっかり拭いてください。
カメラが汚れていると…
カメラがきれいな状態!
思いっきり寄ってみよう
写真の用途にもよりますが、たとえば「SNSでおいしそうに見える写真を載せたい」といった場合は、必ずしもお皿全体を写す必要はありません。写真のバランスに迷った時は、写真の料理に思いっきり近づいてみましょう。
ちょっと遠目から撮ると…
ぐっと近寄ると…
自分のスマートフォンの影が入らないように注意!
入るようであれば、撮る角度を変えて撮影しましょう。どうしても影が映り込んでしまう場合は、料理自体には影が映り込まないよう少し距離を取って撮影し、あとで切り取ってしまうのもひとつの方法です。
スマホの影が入ってしまう状態
光を探そう(シズル感の説明)
思いっきり近づいたら、次に「料理の光」を探しましょう。 料理の中でキラキラ光っている部分です。 この光っている部分を写すことによって、いわゆる「シズル感」を出すことでき、グッと写真の出来がよくなります。
近づいたまま、料理の上からレンズを向けたり、横からレンズを向けたり、スマホを持ったまま料理の周りでぐるぐる動き、一番キラキラ輝く角度を探します。
光がないと…
光があると…
光を見つけられないときは、場所を変えてみよう
どの角度から撮っても光を見つけられない場合、撮影場所が暗い可能性も。店内で一番明るいところに場所を移したり、光量が調節できる場合は最大限明るくしてみてください。
ピントをしっかり合わせよう
光が見つかったら、スマートフォン画面上でその光の部分をタップし、ピントをしっかり合わせてからシャッターを押します。 せっかく良いアングルで撮影をしても、ピントが合っていないだけで台無しになってしまいます。 スマートフォンはシャッターを押す時にある程度のピントは合わせてくれますが、実際はピント調節が間に合っていないことが多いです。 シャッターを切る前に、必ずピントを手動で合わせてください。
グリッド線を活用できるとさらに素敵な仕上がりに
ピントをあわせる位置は、画面の中央に持ってくるのが基本です。 そんなとき、画面に縦横のラインを表示できる「グリッド」を活用するととっても便利!
グリッドを表示させておけば、線に合わせてお皿やグラスを撮影しやすくなるので、バランスも自然と取りやすくなります。
多くの標準カメラにも搭載されています
iPhoneの場合は、ホーム画面から「設定」>「カメラ」>「グリッド」をONにすることで表示できます。Androidの場合は、カメラアプリ内の歯車マークから設定できる機種もありますが、見当たらない方は「(機種名)カメラ グリッド」で検索してみてください。
画面の中央にピントを合わせることに慣れてきたら、縦横のグリッド線が重なる4点のポイントのいずれかにピントを合わせる方法もあります。
こちらは別の回で詳しくお話ししますね。
明るさを調節しよう
無事撮影が終わっても、実際撮影できた写真は暗いことが多くありませんか? スマートフォンでは多くの場合、ピントを合わせているエリアに合わせて明るさが自動調節されるため、若干暗くなってしまうことがあります。
撮影後に写真の明るさを微調整しましょう。
iPhoneの場合は、カメラロールで明るくしたい写真を選んで「編集」>下に表示される丸いアイコンを右に探していくとある太陽のマークが「明るさ」です。 バーを左に動かすと暗く、右に動かすと明るく調節できます。
スマートフォンで撮影する際の心得
さて、ここまでが基本中のキホンです。 まずはざっくり押さえることで撮影時の意識を変えていきましょう。
本連載で、より深掘りしたいポイントなども取り上げていきますのでお楽しみに。 さいごに、撮影の際の心得を!
撮影の目的=「美味しそうと思ってもらう」ことだと忘れない
撮影した写真をきっかけに「美味しそう」「行ってみたい」と思っていただきたいですね。 日頃のおもてなしの気持ちを、そのまま写真にもしっかり込めましょう。
そのメニューの一番注目してほしいポイントにピントを合わせて、メニューの魅力を引き出しましょう。
自分で見て『美味しそう』と思えるまで何度でも撮り直す
どんなに撮影が上手な人でも、一発で完ぺきな写真が取れることはそうそうありません。 何枚か撮影したら、必ず画像をしっかり確認しましょう。
シャッターを押した瞬間は「上手く撮れたかも!」と思っても、比べてみると「この写真の方がおいしそうだな」「もうちょっと高く盛り付けた方がおいしそうかも?」「ちょっと斜めに写っちゃってた」など、うまくいったポイントや、改善したらもっとよくなるであろうポイントが見つかります。
はじめから上手な人はいない。撮影ポイントを思い出しながら練習してみよう
何気なくスマートフォンで写真を撮ることはあっても「メニューを美味しそうに撮る」のように明確な目的を持って撮影をしてみると、理想の写真にたどり着くまで少し時間がかかるかもしれません。
しかし、何事もはじめからうまくできることはありません。 まかないや試食会、夜ご飯や外食時など、いろんな場面で写真を撮るように習慣づけてみましょう。
今回はここまで。次回は「飲食店はダウンロード必須!おすすめ写真アプリ」をご紹介します。
※本記事に使用した画像の撮影には「ヴァン ヴィアンド アオシマ 青山店 」さまにご協力いただきました。(鉄板サイコロカットステーキ 1,200円(税別)/ランチタイム)
ヴァン ヴィアンド アオシマ 青山店
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