飲食店をInstagramで知って来店する人が増えています。集客ツールとして活用が必須とも言えるレベルに達しているInstagramの基本や活用方法を解説する本連載。総まとめとなる今回は、なぜInstagramが飲食店にとってかかせないツールなのかというところから、実際にInstagramを始める方法、集客に有効的な運用ポイントまでを徹底解説します。
飲食店がInstagramを活用するために大切なこと
いろんな飲食店がInstagramをやっている...うちもはじめよう!というテンションで運用をはじめてみたものの「結局何を投稿すればよいか分からない」「集客に繋げるためにはどんな投稿をすればよいのか分からない」というお悩みをかかえる飲食店は多いはず。
手探りでベストな形を模索していくのも良いかもしれませんが、忙しい日々の中でより効率的に活用していくためには、
✔️そもそも何故飲食店におけるInstagramの活用が注目されているのか
✔️見ているお客様はどんなフローをたどってお店のアカウントにたどり着くのか
✔️どんな機能があって、どのように集客に活かせるのか
✔️集客につながる投稿のポイントはどこなのか
などを理解した上で実際にお店のアカウントを運用していくことがおすすめです。
本記事では上記のポイントをおさえ、飲食店の方が集客に有効的なInstagram運用を行なっていけるような内容をまとめていきます。
あらためて...なぜ飲食店にとってInstagramの活用が大切なの?
飲食店にとってInstagramの活用が大切な理由は4つあります。
1.飲食店の情報収集をSNSで行なう人が増えたから
少し前まで飲食店の情報収集といえば、「食べログ」や「ぐるなび」などのグルメサイトや、お店の公式HPを探すweb検索が主流でした。
しかし近年、写真や端的な文字数で直感的に情報を得られるという特徴からSNSが注目をあび、いまや人々の情報収集はweb検索以外にもSNS検索という手段が一般的となっているのです。
10代が飲食店を探す際使うツール、Instagramは2位に
日経クロストレンドが調査会社のテスティーと共同で実施した「飲食店情報サービスの利用動向調査(※)」によると、10代が飲食店を探す際に使うサービスの2位にInstagramがランクインしました。近年全世代においてグルメサイトの利用は減少傾向にあり、Instagramを使った情報収集はこれからますます増加するとみられています。
2.写真でお店の魅力を視覚的に伝えられるから
飲食店の集客で大切なのは「いかに料理やお店の雰囲気などを魅力的に伝え、そのお店に行きたい!と思っていただくかどうか」です。
この“魅力的に伝える”ことにおいて、視覚的に情報を伝えられる写真や動画はかなり有効的。そしてInstagramはその写真や動画を主とするSNS、つまり視覚的に飲食店の魅力を伝えるのにもってこいなツールなのです。
3.無料で使えるから
飲食店の集客といえば、チラシのポスティングやグルメサイトへの掲載、HPの作成など何をするにもお金がかかりがちです。 一方、Instagramは無料!個人用のアカウントから、よりビジネス向きの機能を備えるプロアカウント(ビジネスアカウント)に切り替えるのももちろん無料です。
初期費用や固定費がかかるものになるとつい慎重になってしまいますが、無料ということであれば手軽に始めることができます。
4.お客様とコミュニケーションがとれるから
飲食店の集客に有効的なのがじつはこれ、お客様とのコミュニケーション。
コミュニケーションは、お客様とお店の距離を縮めて来店ハードルを下げたり、一度来てくれたお客様に「特別な店」として認識してもらいリピーターとして再来店していただくことなどに直結する大切な要素です。
Instagramのメッセージ機能やコメント機能を使い、お店の投稿をに対してコメントをくれたユーザーに返信をしたり、お店について投稿してくれたユーザーに対してコメントを送ったりすることで、来店したことのない方はもちろん、来店後のお客様ともつながりをつくり、集客に有効的なアクションを直接起こすことができます。
飲食店がInstagramを活用すべき理由
1.飲食店の情報収集をSNSで行なう人が増えたから
2.写真でお店の魅力を視覚的に伝えられるから
3.無料で使えるから
4.お客様とコミュニケーションがとれるから
Instagramのメリットを理解したところで、続いては実際のアカウント開設についてみていきます。
Instagramのはじめかた
Instagramを開設する際のステップは主に以下の通り。
- アカウントを作成する
- プロアカウントに切り替える
- プロフィールを設定する
1. アカウントを作成する
まずはアカウントを作成するために、Instagramアプリをインストールし、画面に表示される手順に従い入力します。このとき、個人名ではなくお店の名前でそれぞれ設定しましょう。アプリではなく、webでも作成可能です。
必要な情報は以下いずれか
・電話番号
・メールアドレス
・Facebookアカウント
2. ビジネスアカウントに切り替える
Instagramのアカウントは個人アカウントとビジネスアカウントの2種類に分かれており、初期設定のままだと個人アカウントになっています。ビジネスアカウントに切り替えることで、予約投稿機能やデータ分析など利用可能な便利機能が増えるため、なるべく切り替えることをおすすめします。
必要な情報はこちら
・ビジネス(お店)の電話番号
・ビジネス(お店)のメールアドレス
・ビジネス(お店)の住所
3. プロフィールを設定する
最後にプロフィールを設定します。お店を既に知っている人にはそのお店のアカウントであると認知してもらえるよう、まだ知らない人には興味を持ってもらえるような表現や要素を盛り込んで作成しましょう。
詳しくはこちら
nstagramを開設するステップについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
飲食店として情報発信するためのInstagram設定方法とは?
どんな投稿をすればいい?
投稿していく内容としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
・お店の内観や外観の紹介
・今週の営業情報
・おすすめメニュー
・本日の〇〇(入荷商品など)
・テイクアウト情報
・調理している様子の動画
・予約の空き状況
・使っている食材の写真
基本的に「お店の魅力や最新情報を伝えていくための投稿を行なう」ということを意識し、日々の記録にとどまらないような投稿をすることが大切です。
また、Instagramの投稿は主に通常投稿(フィード)とストーリーズの2種類の投稿手法があります。
どちらとも静止画と動画が投稿できる手法ですが、フィードは投稿内容が自身のプロフィール画面に蓄積していくのに対して、ストーリーズは15秒という短い時間の表示かつ投稿が24時間以内に消えるという特徴をもちます。
フィード | ストーリーズ | |
---|---|---|
投稿可能なコンテンツ | 静止画・動画 | 静止画・動画 |
表示場所 | タイムライン | タイムライン上部 |
閲覧した履歴 | 残らない | 残る |
動画の可能時間 | 60秒 | 15秒 |
投稿後 | アカウントに残る | 24時間で消える 投稿主はプロフィールで確認可能 |
それぞれの特性をふまえると、フィードはブランディングを目的とし、外観や内観などお店の世界観やコンセプトを伝える投稿を行なう際に使い、リアルタイム性に強みを持つストーリーズはお店のイマを伝えることを目的に、営業時間や空席情報などの投稿を行なう際に使っていくと良いでしょう◎
詳しくはこちら
フィードとストーリーズの使い分け方法については、詳しくはこちらで解説しています。
【飲食店のネット集客】ストーリーズを活用しよう!
投稿を行なう際のポイント
ハッシュタグをつける
「ハッシュタグ」とは、投稿の説明文に「#(キーワード)」と入力すると、その投稿がキーワードでカテゴライズされ、Instagram内で検索が可能となるタグのこと。投稿につけるラベルのような役割を果たしており、InstagramのみならずTwitterやFacebookなどあらゆるSNSで活用されています。
ハッシュタグは必須で付けなければならないものではありませんが、Instagramで情報を探す多くのユーザーはハッシュタグを指定して検索を行います。つまりハッシュタグを付けることで、その投稿は検索の対象となり、フォロワー以外にも投稿を見てもらえる可能性がぐっと上がるというわけです。
どんなハッシュタグをつければいいか分からない...という方は、こちらをチェック!
【飲食店のInstagram集客】ハッシュタグの決めかた
フィードは統一感のある投稿を意識する
投稿する写真の統一感は、そのお店の雰囲気や世界観をお客様に伝えるために重要なポイントです。単体の投稿がいくらおしゃれで美味しそうな写真であっても、投稿全体に統一感がないとそれぞれが目立たないうえ、全体的にみていてもお店のコンセプトが伝わりにくくなってしまいます。
料理やお店の内装外観、働くスタッフなど、飲食店で投稿できる写真にはさまざまなものが考えられますが、その中でもカメラの角度・トーン・背景など、被写体が異なったとしても何かしらの要素では統一感を出せるような撮影を心掛けましょう。
こちらの連載も参考に
スマホで撮影するコツについてはこちらの連載でご紹介しています。
【連載】スマホで完結!おいしい写真の教科書
定期的に投稿を行う
投稿頻度が余りにも少ないお店のアカウントは、フォロワーはもちろん、フォロワー以外のユーザーに対してもその魅力を伝える機会が少なくなってしまうため、増加を見込むことはできません。
また過去に一時期投稿を頑張っていて、アカウントにいくつか投稿が揃っていたとしても、冒頭に取り上げた通り、ユーザーは「自分にとって有益な情報源であり、今後の投稿もみていきたいから」という理由でフォローすることが多いため、情報の更新がされないアカウントはフォローされにくいのです。
より活動的に、有益な情報を届けてくれるアカウントであるほど、ユーザーはフォローしたいと思うものなので、投稿の頻度はある程度保つよう工夫する必要があります。
ある程度の投稿頻度が必要とはいえ、無理をして毎日投稿をし、質を下げてしまったり更新を早々にやめてしまっては元も子もありません。最初はできる範囲で対応していくことが大切です。まずは最低でも週に1回を目安に、ゆくゆくは2、3日に1回という頻度を目指して投稿していきましょう。
投稿以外の運用ポイント
プロフィールを整える
プロフィールは、投稿からアカウントを訪れたユーザーが最初に目にする、そのアカウントの紹介文です。1つの投稿だけでは伝わらないお店の概要や魅力を文字で伝える貴重な場ともなるため、初めてアカウントを訪れたユーザーがパッと見てどんなお店なのかが分かるよう、長すぎず短すぎないプロフィール文を作成しましょう。
プロフィールに載せるべき情報例
・どんなお店かひとこと(ex:手作りケーキとハンドドリップ珈琲のお店)
・お知らせしたい最新情報 (ex:7月よりテイクアウトはじめました!)
・場所 (ex:青山)
・アクセス (ex:表参道徒歩3分)
・営業時間、定休日 (ex:営業時間 10:00~20:00)
・お店のHPやECサイトのリンク ※1つだけ貼り付け可
常に最新情報へ更新することも忘れずに。
プロフィールはアカウントを開設する際、最初に設定する項目であるため、一度設定した後はついついそのままにしてしまいがちです。しかし、ユーザーが正しい情報を得られるよう、常に最新の情報に更新することを忘れないようにしましょう。
お客様とコミュニケーションをとる
Instagramを活用するメリットの一つにもなるお客様とのコミュニケーション。
コミュニケーションとは具体的に、
・投稿にコメントをしてくれたら返信をする
・お店の投稿をしてくれたら、いいねやコメントをする
・いいねやフォローなど、お店のアカウントに関する何かしらのアクションをしてくれた方をフォローする
などのことを指します。
お店に関する自分の投稿やアクションに対して、当のお店がしっかり見て反応してくれるということは、想像以上に嬉しいものです。この嬉しさがお店に対する好感へ、そして再来店へと繋がる可能性があるため、Instagramの集客に欠かせない要素としてこちらもしっかり取り組んでいきましょう。
お店の投稿に対するコメントや、お客様がメンションをつけて投稿してくれた場合には通知が鳴りますが、お店のハッシュタグのみで投稿された場合はリアルタイムで気付くことができないため、定期的にInstagram内を見回ってみることがおすすめです。
Instagramを開設していることをアピールする
周りに対して、お店がInstagramをやっていることをアピールすることもフォロワー増加のためには効果的です。
ファンのお店・気になったお店がInstagramをやっていると知れば、そこから情報を得ようとフォローしてくれる方は一定数います。せっかくの機会を逃さないよう、具体的には、ショップカードや近所に配布するチラシ、店内のPOPやお店の公式HPなどで、アカウントの紹介をしていくとよいでしょう◎
投稿内容を分析する
多くの飲食店さんのInstagram運用の最終目的は「お店を利用してもらうこと」ですよね。お店を利用してもらうことに繋げるには、当然ながらよりユーザーに響く投稿を行っていく必要があります。しかしただ投稿を行っているだけではユーザーに響く投稿ができているか・響く投稿とは何かが分かりません。そこで必要になってくるのが「分析」です。
分析とは具体的に、ユーザーの反応がよかった投稿・悪かった投稿を数字で把握し、その投稿の写真の構図・投稿時間・ハッシュタグ・説明文など、どの要素が反応の理由になったかを考えることを指します。
分析する→好反応となる投稿の傾向をつかむ→次の投稿に活かす
これを繰り返していくと、徐々にアカウント全体がユーザーに響くものとなり、運用の目的であるお店の利用に繋げることができるのです。
分析を行う際に活用するのが、アプリ内にある「インサイト機能」。Instagramがビジネスアカウントであれば利用することができます。
詳しくはこちら
インサイト機能の利用方法、具体的な分析方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
【2021年最新】飲食店のInstagram運用 〜分析編〜
応用編!ぜひ活用したいInstagramの便利機能
予約投稿
予約投稿はその名の通り、事前に投稿内容を作成し、指定した時間に自動的に投稿がされる手法です。
使えるのはビジネスアカウントのみ、かつパソコンからと限定はされますが、予約投稿を利用することで、時間が取れた際にまとめて投稿準備を行ったり、情報解禁日が決まっているイベントなどの投稿を事前に用意しておくことができます。日々業務に追われる飲食店がInstagramをより効率的に運用していく上では大変便利な機能です。
予約投稿には、Instagramの公式ツール「クリエイタースタジオ」を使います。具体的な利用方法についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひ確認してみてください◎
【2021年最新】飲食店のInstagram運用 ~予約投稿編~
ショッピング機能
Instagramのショッピング機能とは、Instagramの投稿またはプロフィールの「ショップを見る」ボタンから、お店のECサイト(オンラインショップ)へ遷移させる機能です。
Instagramは写真で商品やお店を魅力的に魅せることに長けていますが、投稿に直接URLを張り付けることができないため、商品をPRしたとしてもその後ECサイト(オンラインショップ)へ遷移して実際に購入してもらうためには工夫が必要です。
しかしこのショッピング機能を使うと、対象の商品をタップするだけで対象のページへ簡単に遷移させることができます。
InstagramをECサイトの集客に活用していくのに大変便利な機能となりますので、ECサイト(オンラインストア)を運用している飲食店はぜひ使ってみてください。
ショッピング機能の設定方法や実際の使い方については、こちらの記事で具体的に解説しています。
【2021年最新版】ECサイトをもつ飲食店必見!Instagramのショッピング機能を徹底解説。
まとめ
Instagramの運用には正解がなく、一見複雑にも感じてしまうかもしれません。
しかし今回ご紹介したポイントをしっかり抑え、継続的に運用していくことでアカウントは成長し、より多くのお客様を集客できるツールとして活用することができます。
すぐに結果が出なかったとしても諦めず、お店に合わせた最適な運用方法を模索していきましょう!
written by
FOOD-IN編集部
FOOD-IN編集部ライターが未来の飲食店をつくるための経営ノウハウをどのメディアより”分かりやすく”をモットーにお届けします。