休憩時間、守っていますか?飲食店が知っておきたい基本ルールをおさらいしよう

人手不足や忙しい時間が重なったとき、スタッフに「忙しいから今日の休憩は10分で戻ってきて!」などと声をかけてしまうことはないでしょうか。多忙な時は休憩時間が曖昧になりがちですが、場合によっては労働基準法違反の可能性があるのです。また飲食業界は立ちっぱなしで仕事をすることがほとんど。休憩をしっかり取らないと、パフォーマンスが落ち、メリハリがない仕事になってしまうこともあります。そこで、飲食店のオーナーなら知っておきたい、休憩のルールとパフォーマンスがアップする休憩時間の設定方法をご紹介します。

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飲食店のシフト管理、適切にできていますか?覚えておきたい6つのポイント

労働基準法が定める、休憩時間にまつわる3つの基本ルール

カフェラテ 休憩時間について、知っておきたいのは労働基準法が定めるルールです。「うちは小さな個人店だから」と思う方もいるかもしれませんが、お店の規模にかかわらず、すべての店舗に適用されます。もちろん、アルバイトも正社員も関係なく適用されるものです。中でも必ず理解しておきたい、3つの基本ルールを押さえておきましょう。

1. 必要な休憩時間

必要な休憩時間は労働時間によって変わります。労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は最低45分、8時間を超える場合は最低1時間が必要です。8時間ぴったりであれば45分で問題ないですが、それ以降残業が少しでも発生すると、残業開始時に15分の休憩を追加しなければなりません。そのため、フルタイム勤務の場合には休憩時間を1時間に設定していることが多いのです。なお、労働時間が6時間未満の場合は、休憩なしでも構いません。

2. 休憩を取るタイミング

実は休憩を取るタイミングも、労働基準法で定められています。連続した時間勤務してもらいたいからと、労働時間の最初や最後の時間を休憩にあてるのはNG。休憩時間は、労働時間の途中に与えなければいけません。 休憩をとるタイミングについて

3. 休憩中の仕事はNG!

当然ですが、休憩時間中に仕事を任せることは認められていません。休憩時間は労働者が業務を離れて、自由に過ごす時間とされています。例えば「電話対応だけ」「レジ対応だけ」と思うかもしれませんが、これは立派な業務にあたるため、休憩時間に入ったスタッフに任せることはやめましょう。

休憩時間にまつわる3つの基本ルール
1. 休憩時間は、労働時間が8時間以上は1時間、6時間以上8時間未満は45分
2. 労働時間の最初と最後を避け、労働時間の「途中」にとること
3. 電話応対や掃除など、休憩時間中の仕事はNG

これはOK?NG? 休憩時間にまつわるよくある疑問

基本ルールを理解していても、労働時間と休憩時間の線引きが曖昧なことは実際多いですよね。知らないうちにルール違反をしていることもあるかもしれません。そこで、飲食店に多い休憩時間にまつわる疑問と対応をまとめました。

制服への着替えやまかないは休憩時間?

お店によっては制服を着替えたり、まかないを食べたりすることもありますが、これらは休憩時間に含まれるのでしょうか。まず制服への着替えについては、労働時間に含まれます。一方、まかないを食べるのは休憩時間としてOK。見極めポイントは、その行為をしないと労働できないのかどうかという点です。「着替え」は衛生面や安全面から労働上必須な行為とされるため労働時間、「まかないを食べる」はそれに当たらないため休憩時間となります。

休憩時間中の外出はOK?

「銀行へ行きたい」「カフェでお茶を飲みたい」など、休憩時間に私用を済ませたり外でゆっくり休みたいというスタッフもいると思います。休憩時間は「労働者の自由時間」なので、時間内であれば外出は認められます。ただし、自由時間と言ってもその後業務に戻るため、飲酒禁止など一定の制約を設けることは可能です。休憩時間後、通常業務に戻ることができる範囲の自由時間を与えましょう。

休憩を小分けにして取ってもらうのは大丈夫?

休憩時間を連続して取らせる義務は定められていないので、小分けにするのはOK。とはいえ、1時間ごとに5分休憩を何回も繰り返すといったケースは、疲れが抜けきれず仕事の効率を下げてしまうこともあります。30分程度のまとまった休憩と短時間の休憩を組み合わせるなどして、労働者がしっかりリフレッシュできるように設定しましょう。

法律を守るだけではだめです。根本にあるスタッフの体力回復が達成されなければ意味がありません。休憩がしっかりとれない環境は、スタッフが辞めてしまう原因になることも多々あります。決められた数字を表面的に守るだけではなく、「スタッフが体力を回復できる時間が取れているか」という点が重要です。

どうしても休憩時間が取れなかった日の対応は?

忙しい時間が重なり、どうしても休憩時間を取ってもらうことが難しい場合は、その分、正社員なら残業代、アルバイトスタッフならアルバイト代を支払う必要があります。また、法定労働時間は「1日8時間、1週40時間」です。本来とるべき休憩時間に働いてもらったことで、これを超えた労働時間に対しては、25%割増になります。

法定時間外労働の割増し率について

法定時間外労働の割増率について

スタッフが自分の意思で休憩中も働いてくれる場合は?

中には、休憩時間にもかかわらず、電話を取ってくれたり、レジ対応をしてくれたりと積極的に働いてくれるスタッフもいます。オーナーや店主にとっては、とてもありがたい存在ですが、要注意です。指示や事前承認がなくても、雇用側が黙認すれば、黙示指示があったとみなされ、雇用側の責任=残業代発生となる可能性があります。積極的に働くスタッフの中には、本当は休みたいのにその責任感で動かざるを得ないと感じている人もいるかもしれません。一言「ここはいいから、休憩に入ってね」と声をかけてあげましょう。

パフォーマンスアップを目指す休憩時間のノウハウ

カフェスタッフ 休憩時間は、単純に法律で定められているからというだけではなく、スタッフが最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないものです。一方、分かっていても実際の現場ではうまく休憩時間を確保するのが難しいという声も。そこで、シフト管理者が知っておきたい、休憩時間をしっかり正しく確保するためのノウハウをご紹介します。

シフトに休憩時間を落とし込む

休憩時間の確保の仕方・まわし方が上手くいかないという方は、シフト作成時にあらかじめ休憩時間を決めておくことがおすすめです。当日の繁忙具合にもよるため、決めた通りにはいかないかもしれませんが、休憩に入る時間目処がついているだけで、そのスタッフが休憩に入ることをしっかり意識しながらお店をまわすことができます。それぞれのスタッフが休めるように、休憩時間を分散させておくことも大切です。

A君が14時から休憩だから、今のうちにA君に補充をお願いしよう。

休憩時間を分割する

まとまった時間がとれなかった結果、休憩時間が確保できていないという方は、休憩時間を分割して用意するのがおすすめ。先述したとおり、労働基準法では休憩時間を連続してとらせるという義務はないため、30分を1回、15分を2回といった短時間の組み合わせで休憩時間をとることが可能です。ただし、1回あたりの休憩時間が短くなり過ぎると、十分なリフレッシュができなくなってしまい、法律は守れていても肝心な従業員のパフォーマンスは下げてしまうという可能性も。休憩時間を分割する場合は、長めの休憩と短時間の休憩をうまく組み合わせて、スタッフがストレスなく働けるよう心がけましょう。

休憩時間を見直して、働きやすい環境づくりを

カフェスタッフ スタッフの休憩時間について、改めて見直してみていかがでしたか。ランチやディナータイムで忙しい時間が偏りがちな飲食店では、意外とやりがちだったNGポイントがあったのではないでしょうか。シフト調整など、どんなに対策をしても「どうしても休憩を取ってもらうことが難しい」という日もあると思います。そんなときは、給与面でしっかりフォローし、休憩が取れていないスタッフには小まめに声がけをするなどして、働きやすい環境を整えていきましょう。

次回は「月次の目標設定をして従業員のやる気を上げよう」を紹介します。