あの人気飲食店も実践してるかも?つい行列に並びたくなる心理とは。

心理学を知ることで、お店を繁盛させ、売り上げアップヒントが見つかるかも。本連載では、飲食店が明日からお客様に使える心理学について解説していきます。どんな飲食店も、すぐ参考にできるものばかりなのでぜひ実践してみてください。

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行列に並ぶのは「認知的ケチ」が働いているから?

お店の外までずらりと並ぶ行列は繁盛店・人気店の証。自分のお店も「行列店にしたい!」と考えているの方もいるかもしれません。今回は人が行列に並ぶ心理と、行列のつくりかたについて解説します。

日本人は「行列好きな国民」とよく言われますが、実はある調査によると80%以上が「行列が嫌い」と回答しています。それなのになぜ行列を見ると、多くの人が「なんのお店に並んでいるんだろう」と気になってしまうのでしょうか?

多くの人はお店を選ぶとき「失敗したくないな」と考えます。特にお店選びにそこまで興味がない人にとってはより面倒に感じるはずです。私たちの脳はこういった面倒な選択を省エネしたくなる性質があります。これを「認知的ケチ」といいます。

メガネをかけた男性

こんなに並んでいるなら、このお店きっと美味しいはずだよね……!

「みんなが並んでるから」「流行っているから」という理由でそのお店を選んでしまうのは、「みんなと同じ選択をすれば、きっと間違いないだろう」という「認知的ケチ」が働くからなんです。これにxxより、行列がさらに多くのお客様を呼び、どんどん長い列になっていくというわけです。これを「バンドワゴン効果」といいます。

行列をつくりたい飲食店はどうすればいい?

このバンドワゴン効果を利用して、あえて行列をつくって見せることを「行列マーケティング」と呼ばれています。意図的な行列を作り出し、たくさんの人を呼び込もうというものです。何もせずに行列ができるのは実は稀なケースです。もしあなたが行列をつくりたいと思うのなら、(もちろん美味しいものを提供するのは前提ですよ!)以下のような取り組みを検討してみましょう。

座席を減らす

お店のキャパシティを小さくすれば、一度に入店できる人数が少なくなるため行列ができやすくなります。例えば人気ラーメン店なのに、カウンター席しかないお店はよくあります。もっと席数を増やすことで客数も増やせますが、その分店内で待つ時間の方が長くなり、行列はできにくくなります。

調理・接客スピードを調整する

ある行列のできるパンケーキ店の例では、店内に案内されると意外にも座席が空いており、接客スタッフも焦っているようではなく丁寧に応対しています。料理を素早く提供し、接客もすばやく対応して回転率を上げることも可能なはずです。あえて落ち着いた雰囲気を醸すことで、満足度も重視しながら行列をつくっているタイプです。

行列は毒にも薬にもなる

適度な行列は次の客を呼び込む力になることは確かです。しかし、行列が長すぎた場合、並ぶことを苦痛に感じる人を敬遠させる「逆の力」にもなってしまいます。

行列マネジメントのための「行列の8つの法則」

アメリカの有名な経営思想家、デービッド・マイスターは、行列には次の8つの法則があると述べています。

行列の8つの法則
  • 何もしていない時間は長く感じる
  • 人はとにかく何かに取りかかりたい
  • 不安があると、待ち時間は長く感じる
  • 待ち時間が分からないと、長く感じる
  • 理由もなく、待ちたくない
  • 不平等な待ち時間は長く感じる
  • 価値あるものに対する待ち時間には寛容になれる
  • 独りの待ち時間は長く感じる

これらの法則は2つのことを示しています。ひとつは、人にとって待ち時間は心地よいものではないということ、もうひとつは、行列は条件によって長くも短くも感じるということです。

当然ながら、待ち時間が長くなるほどストレスは大きくなり、場合によっては顧客満足度に影響することもあります。行列には、長く感じさせない工夫も必要です。

行列のストレスを軽減するには?

上述のマイスターの法則にあるように、何もしない待ち時間やどれくらいか分からない待ち時間、また不平等な待ち時間はストレスのもとになります。行列に並んでいるお客様もしっかり接客する必要があります。例えば…

  • 並んでいるお客様にメニューを渡す
  • 来店人数を確認する(並んでいることを認識していることを伝える)
  • 待ち時間の目安を伝える
  • 整列を促す

行列に並んでいるお客様への声がけ例

女性の店員

(メニューを渡しておいて)
ご注文お決まりでしたら先にお伺いしますよ。

お待たせしており申し訳ございません。あと5分ほどでご案内いたしますね。

バンドワゴン効果は行列だけじゃない!

実はご紹介したバンドワゴン効果は行列だけでなく、オンライン上でのコミュニケーションでも同じことがいえます。「みんなが高い点数をつけているからきっと美味しいだろう」「インスタグラマーがみんな紹介してたから間違いないだろう」という理由でお店を選ぶのもバンドワゴン効果です。

「行列が長い店=いいお店」という方程式は必ずしも成り立たなくなってきています。待ち時間が長いとそれだけ不満の種になりますし、待たされた時間の分だけ料理への期待も高まります。もちろん行列は「三密」になりますから、感染のリスクも高まります。

ただ行列をつくることだけに力を入れるのではなく、こういったバンドワゴン効果をオンラインでも活用するのも人気店になるカギです。

・バンドワゴン効果=人は多数の人に支持されているものを選びたくなる生き物
・行列マーケティングで行列をつくることもできます
・ただ行列はしっかりマネジメントしないと不満の原因なるので注意
・オンラインでもバンドワゴン効果は使えます

第2回はここまで。次回は「メニューは書き方で売上が上がる!心理学を活用した5つのちょいテク」 です。