メニューは書き方で売上が上がる!心理学を活用した5つのちょいテク

心理学を知ることで、お店を繁盛させ、売り上げアップヒントが見つかるかも。本連載では、飲食店が明日からお客様に使える心理学について解説していきます。どんな飲食店も、すぐ参考にできるものばかりなのでぜひ実践してみてください。

前回の記事はこちら

あの人気飲食店も実践してるかも?つい行列に並びたくなる心理とは。

メニューの書き方を変えるだけで売り上げあがる?5つの心理学

メニューの書き方次第で、もっと注文したくなったり、お店の満足度が上がったりするって知っていましたか?お客様が満足できるメニューは「そのときお客様がどのような心理状態になるか」計算されて作られています。この記事ではそんな「お客様が注文したいと思う心理」を読み解いて、売上が上がるかもしれない、5つのテクニックをご紹介します。

大切なのはお店のメニューブックだけじゃない!

グルメサイトやSNSで検索するのが当たり前の時代、ネット上での表現も大切。店内で注文したくなるだけでなく「予約したくなる」「デリバリーしたくなる」工夫も大切。5つのテクを参考にしてみてくださいね

1.人気のメニューを注文したい!【バンドワゴン効果】

本当は別のものを注文しようと思っていても、メニューに「当店人気No.1 絶品とり天」と書いてあるとつい頼みたくなっちゃいますよね。「人がもっているものを欲しくなる」「多くの人が支持している商品に価値を感じる」という心理現象を「バンドワゴン効果」といいます。

「当店人気No.1」などの文言が入っていると、「多くの人が注文しているんだから間違いないだろう」という心理が働き、流されやすくなります。

書き方例:「1日100個売れる!大人気とり天」、「スタッフ人気No.1 とり天」、「創業以来の定番 とり天」

2.他人とは違うものが欲しい!【スノッブ効果】

人気店で「常連客の〇〇さんにだけ特別に当店の裏メニューをお出ししますよ」と言われたら嬉しいですよね。先ほど紹介した「バンドワゴン効果と反対で、「他人とは違うものが欲しい」「差別化したい」という心理が働き、簡単に入手できないほど欲しくなることを「スノッブ効果」といいます。

実はこれは実際に手に入れるのが難しくなくても効果があります。お客様は「今を逃したら買えない」=「手に入りにくいもの」という認識をするので注文しやすくなるわけです。

店員のアイコン

書き方例:「1日10杯限定 希少日本酒」「長野店限定 りんごパフェ」「この店でしか食べれない希少な部位」など。「地域限定」「会員限定」なども効果的。

3.ダメと言われると食べたい!【カリギュラ効果】

人は「絶対にやってはダメです」と禁止されると逆にやってみたくなるという性質があり、これを「カリギュラ効果」といいます。浦島太郎も「絶対に開けてはいけない」と言われたのに玉手箱を開けてしまいました。これはカリギュラ効果の性質を表しています。

例えば、ちょっと変わった食材を使ったメニューに、「勇気のある方以外は注文しないでください」「一度食べたらもう前のあなたには戻れません」と書いてあったらどうでしょうか。なんだか気になって食べてみたくなってきますよね。

他にも「辛いものが苦手な方には絶対におすすめしません」などの表現によって、ターゲット(この場合、辛いもの好きのお客様)の興味を引くのも良いでしょう。

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書き方例:「絶対に〇〇以外は注文しないでください」「〇〇ですのでご注意ください」「食べないでください」

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4.ついでに買っちゃおう!【テンション・リダクション効果】

マクドナルドでハンバーガーを注文すると、「ご一緒にポテトやドリンクはいかがですか?」とおすすめされますよね。これは「テンション・リダクション効果」を活用しています。

例えば、メニューを見ながら「何にしようかな…」と迷って「これにしよう!」と決断します。人は何かか決断したあとは緊張が緩む性質があり、このタイミングは次の購入への意思決定が緩くなるんだそうです。

5,000円の料理を注文して「〇〇をプラス200円で追加できますよ」とおすすめされると「200円くらいならいいか」という感覚になり、ついつい「じゃあお願いします」と言ってしまうようなイメージです。つまり、注文を決めたタイミングが、追加注文をしてもらいやすいチャンスというわけです。

例えば、Uber EATSなどのデリバリーアプリでは、オプションメニュー選択画面でちょっとした追加メニュー(チーズ追加、ソース追加など)の項目をつくることで、このテンション・リダクション効果が働き、ついで買いしてもらいやすくなります。

5.本当に安くて美味しいの?【両面提示の法則】

「まずい、もう一杯!」というキャッチフレーズを覚えていますか?90年代にブームになったキューサイの青汁のCMです。「まずい」というデメリットになる言葉をあえて使っているのにヒットしたんです。

実は人を説得するときにメリットだけでなくデメリットも提示することで、その説得力や好感度、信頼感が増すことがあります。これを「両面提示の法則」といいます。

例えば、知り合ったばかりの人に「すごく安くて美味しいお店があるから教えてあげます」と言われても、普通なら「本当かな?なにか裏があるんじゃないかな?」と多少疑念を持ちます。逆に「ちょっと並ぶんだけど、安くて美味しいお店がある」と言われた方が納得感があり、プラスの印象を持ちませんか?これがこの法則です。

例えば、こんな文言を加えてみましょう。

「料理長が自信を持っておすすめするコースです」→「当店で一番高いですが、料理長が自信を持っておすすめするコースです」 「焼き立てのピザは絶品です!」→「生地から作るので少し時間かかりますが、焼き立てのピザは絶品です!」

まとめ

こうして見てみると、CMや広告でよく見られる表現ばかりですよね。お客様の心を掴むメニューの書き方は普段見ているテレビや雑誌、インターネットのなかに潜んでいるかもしれません。ぜひヒントにしてみてください。

第3回はここまで。次回は「適切な座席案内とは?「パーソナルスペース」を守るだけでお店の居心地アップするかも。」です。

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written by

FOOD-IN編集部

FOOD-IN編集部ライターが未来の飲食店をつくるための経営ノウハウをどのメディアより”分かりやすく”をモットーにお届けします。