FOOD-IN編集部が注目の飲食店をピックアップ! 1961年に精肉卸として創業して以来、三つ星レストランなど有名店への納品実績を誇る「たまき家」。今回は同社直営である「焼肉 たまき家」が「シェ松尾」元オーナー松尾幸造シェフとタッグを組み開発された『極上手造りメスウシビーフシチュー』をご紹介。クラウドファンディングを取り入れた今ならではの取り組みに迫ります。
「焼肉 たまき家」が「CHEZ MATSUO(シェ・松尾)」元オーナー松尾幸造シェフとタッグを組み、『極上手造りメスウシビーフシチュー』を開発。商品名でも表現されているとおり徹底的に「手造り」にこだわる背景から、小ロットでの展開を実現するためクラウドファンディングサイト上で販売されています。
同店の運営元は、1961年創業の食肉卸「たまき家」。その信頼度の高さからすでに多くの支援者を集めていますが、どのような逸品に仕上がっているのでしょうか。
とろけるメスウシをリーズナブルに。創業60年の「たまき家」品質
「肉が旨けりゃ幸せだ!!」。そんな痛快なスローガンのもと、プロの目利きで厳選した極上の和牛をリーズナブルに提供することをコンセプトに掲げるのが、1961年から食肉卸業を営む「たまき家」です。
和牛の目利きを得意とするたまき家では、国内で20%以下しか流通しないメスウシを優先的に入手しており、その中でも最高品質のものを取り揃えます。
メスウシは室温で脂が溶ろけてしまうほど融点が低いため口どけが良く、不飽和脂肪酸も多く含むことから風味豊かな肉の旨さを味わうことができます。そんな和牛メスウシをリーズナブルにいただくことができるのが、同社直営で霞ヶ関に店を構える「焼肉 たまき家」です。
「当店の強みは肉の目利きにあります。牛の味を決めると言われる要素は産地、牧場、血統などさまざまありますが、実際は同じエサを食べて育った牛でも味が異なるほど繊細なんです。老舗ならではのネットワークを活かしながら、そのとき最も良質なものを選定します」と話すのは、焼肉たまき家 家長 田巻 保彦さん。
そんな田巻さんに、『極上手造りメスウシビーフシチュー』についてお話を伺いました。
家庭でプロの味を堪能!職人手造りの絶品ビーフシチュー
現在、クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて販売されるのが、黒毛メス和牛をふんだんに使った『極上手造りメスウシビーフシチュー』。
同社が誇るメスウシがゴロゴロと入った贅沢な逸品ですが、本商品の開発に協力を名乗り出たのはなんとフレンチレストラン「CHEZ MATSUO(シェ・松尾)」元オーナー・松尾幸造シェフ。
「松尾シェフには以前、ご来店いただいた事がありまして。たまき家のお肉を召し上がっていただいた際、「こんなおいしい肉を食べたことがない」と気に入っていただけたんです。そんな素材のおいしさを最大限活かした料理を日本中の人に味わっていただきたいという松尾シェフの思いもあり、今回のプロジェクト発足に至りました」
こちらが実際の商品。撮影用ではなく、販売されているレトルト1パックをお皿に盛り付けたものです。『極上手造りメスウシビーフシチュー』では、シチューに最も合うとされているスネ肉を1人前あたりなんと180gも使用。この一品でおなかも大満足のボリュームです。 実際に食べてみると、一般家庭で想像するビーフシチューとは異なりソースはサラッとした仕上がりで、肉の旨みを引き立てています。
田巻さんによると、「ブッフ・ブルギニョン(ブルゴーニュ風の牛の煮込み)として仕立てています。使用するワインも試作を繰り返し、和牛メスウシに最もマッチするものを厳選」したと言います。
8時間じっくり煮込まれたお肉はほどけるような口溶け。ソースをたっぷりつけていただくと、濃厚なのにくどくないメスウシの旨みを堪能できます。
「また、「安心、安全、天然、自然、本物」とよく表現しているのですが、仕込みは松尾シェフ含む職人4人による手造り、かつその工程も動画で公開してプロセスを見える化しています。コロナの影響もあり、ご自身が口にする食品がどのように作られているのか気にされる方も増えていますので、ご安心してお召し上がりいただきたいという思いを込めています」。
手造りににこだわる背景から小ロットでの提供を実現するため、クラウドファンディングでの展開に至ったと言います。
「クラウドファンディングでの販売は、2021年4月30日でひと区切りをつけます。今後の物販も前向きに検討していますが、時期は未定。“幻の”商品になるかもしれません。大切な方とのひとときに、この機会にぜひご利用いただければ」。
外食が制限されるいまだからこそ、伝えたい味がある
本商品の展開に活用されているクラウドファンディングは、発案者がインターネットサイトを通じて世の中に「こんな商品・サービスをつくりたい」と呼びかけ、共感した人から少しずつ資金提供を募る仕組み。ドラゴンボールの"元気玉"のように、何人もの支援者からパワーを集めるわけです。
発案段階で購買層にアプローチするため、事前にどのくらい需要があるか知ることでロットの調整やその後の展開の検討材料として活用できたり、理解者や支援者との繋がりを持てることも魅力です。
今回のビーフシチューもすでに480人以上からの支援を受けており、コメント欄には「お店に行くのがなかなか難しい時期なので嬉しい」「応援しています!」といった熱い声も多く見受けられます。
「焼肉たまき家では、お客様向けに毎月メルマガをお送りしています。本企画もメルマガで取り上げたところ、お客様から多くの反響をいただけました。また、松尾シェフへの注目度もあいまって、インターネット上での拡散が進んでいます」
クラウドファンディングサイト上に出すだけで支援者が集まるとは限りませんので、既存ファンや周囲への呼びかけ、SNSでの拡散など、認知を広げるためのアクションは必須です。たまき家の場合、一般層での自然な広がりに加え、日頃から行っていた顧客データ管理、そしてお客様とのコミュニケーションの積み重ねが功を奏しました。
「決済まわりもクラウドファンディングサイト上で完結するため、システム開発なども不要です。自前で用意していたらそこにかなりの労力と時間を要していたと思います」
臨機応変な対応が求められる2021年の飲食業界。タイミングが予期できない自粛要請なども重なり各社頭を悩ませるところですが、たまき家の場合はうまく既存のプラットフォームを取り入れることで、スピーディな展開を実現しています。
応援したい飲食店があっても、外食に出かけること自体がままならなず、もどかしい気持ちを抱える人も多い現状。このような取り組みを行うことで、お客様とのつながりを保ちつつ、新たな層にたまき家の味を伝えることもできます。
また、販売ページには医療従事者の方々へ本商品を差し入れできるプランも設置。「一般の方以上に外食が難しい彼ら・彼女らへ、少しでも応援の気持ちをお届けできれば」。
末長くつづく「たまき家」クオリティを目指して
老舗ならではの信頼度高い品質と、時代に適した手法を取り入れることで広い世代から親しまれ続けるたまき家。
「私たちだからこそ提供できる上質な肉、そして当店が誇る経験豊富なベテランシェフの強みを活かした商品を、今後も作り続けていきたいと考えています。締め切り間近の『極上手造りメスウシビーフシチュー』はもちろんですが、新商品の展開にもご期待ください」と田巻さんは言います。
『極上手造りメスウシビーフシチュー』は、クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて2021年4月30日まで購入可能です。
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