FOOD-IN編集部が注目の飲食店をピックアップ! 今回は動物性食品不使用のハンバーガー「ボタニカルバーガー」が話題を呼んでいるハンバーガーレストラン「UMAMI BURGER®︎」をご紹介。そこには多様化する食のこれからを見据えた同ブランドの想いが込められていました。
常に一歩先をゆくロサンゼルス発の“大人”バーガー
“カジュアルファインダイニング”をコンセプトに、ハンバーガーや豊富なサイドメニューをワイン・カクテルとともに楽しめ、大人がくつろげる雰囲気を特徴とする「UMAMI BURGER®︎」。
ロサンゼルスを1号店とし、現在は世界各国に23店舗を展開する同店。日本での展開は2017年3月の青山店オープンを皮切りに、現在では国内6店舗にまで拡大しています。
「食べ物から最高のうま味を引き出すことで、お客様の味覚の幅を広げたい」──この考えを根源に、使用する素材を注意深く見極め、豊潤で深い味わいのエッセンスを引き出す独自の調理法を確立させた「UMAMI BURGER®︎」。
他のハンバーガーブランドに例をみない視点から次々と新メニューを打ち出し、2009年の誕生から間もなく、米国版「GQ」の「ベストバーガーオブザイヤー」や「TIME」誌の「史上最も影響力のある17のバーガー」に選出されるなど、アメリカ国内でも高い人気を誇るブランドとして確立しています。
そんな同ブランドでいま人気を博しているのが、日本店舗初となる動物性食品不使用のハンバーガー「ボタニカルバーガー」。今回はUMAMI BURGER JAPAN取締役の吉田ナワーフさんに、おいしさのポイントとバーガーに込められたUMAMI BURGERの想いを伺いました。
肉不使用とは思えないクオリティ!話題の「ボタニカルバーガー」
2020年8月に登場した「ボタニカルバーガー」。
実は、原材料に動物由来のもの(肉、魚、卵、乳製品、蜂蜜など)と五葷(ごくん/臭気の強いにんにく、にら、ねぎ、らっきょうといった野菜)を一切使用していません。
SNS上では「言われなければお肉が入っていないと気づかない」「まるで肉と思うほどジューシー!」という声が多数見られるほど、動物性食品不使用ということを感じさせない仕上がりです。
そんな「まるでお肉」なパティのメイン素材はなんと大豆。オリジナルの配合のパティを蒸し焼きにすることで、噛んだときにじゅわっと肉汁を感じるようなジューシーさを実現しています。さらにビーツで彩りを加えることで見た目の"肉"感も演出。ともに挟まれるスライストマト、スライスオニオン、グリーンカールといった野菜も、全体のバランスを計算した量・順番で配置しているそう。味を決定づけるソースにはオリジナルのミソマスタードやウマミケチャップ、ビーガンマヨネーズが使われており、シンプルながらも味わいとコクを生み出す仕上がりとなっています。
「ボタニカルバーガーは、プラントベース(植物性由来)のバーガーなので、ビーガンのお客様にもしっかり配慮する必要があります。そこで、他の商品とは調理スペースや使用する器具を完全に分けて、動物性の脂やにおいがつかないよう配慮しています」。
あまりのお肉の再現度の高さに、ビーガンのお客様が「これはお肉では…?」と心配になり返却に来られたというエピソードも。プラントベースであることをしっかりご説明すると、お客様は大変驚かれていたそうです。
「ハンバーガーでとても重要なポイントとして「全体のバランス」が挙げられます。食材それぞれのクオリティはもちろん、重ねる順番でも食感・見た目・味が大きく変わるので、どの組み合わせが一番うま味を引き出せるか、ということはどのバーガーにおいても考えています。
ボタニカルバーガーで言うと、大豆やキャッサバなど14種類の材料をオリジナルの配合で調整しています。この14種類というのは、一般的な代替肉製品と比べるとやや抑えめな数。材料個々の良さを引き出すために試行錯誤を重ねた独自の配合です。大豆臭さもなく、大豆ミート初心者の方でも違和感なく召し上がっていただけるはずです」。
誕生の背景は「フードダイバーシティ」
そもそも動物性食品不使用「ボタニカルバーガー」開発のきっかけとなった視点として、近年の「フードダイバーシティ」により多様化する食のニーズに応えよう、という同ブランドの考えがありました。
「フードダイバーシティ」とは、食生活や食習慣、宗教など、さまざまな理由を背景に世界各国で特徴的な食品が存在するなか、その違いを尊重し、食への向き合い方を受け入れる体制を意味します。
「当店のお客様は7割ほどが女性なんです。するとやはり、ダイエットや健康に気遣う人も多い。ボタニカルバーガーなら、通常のバーガーよりもヘルシーでありながら、満足感も得られます。また、アメリカに比べるとやや後追いですが、サステナビリティへの関心も高まりつつあり、食肉への向き合い方を見直す人も増えています」。
また、「UMAMI BURGER®︎」では、ボタニカルバーガーの販売を機に、すべてのバーガーメニューのパティをこの動物性食品不使用のオリジナルパティに変更できるようになりました。その日の気分や、少しでも健康面・環境面に配慮した食事を取りたいニーズにも応える方針です。
「あとは、シンプルに「おいしい」ということろからお試しいただければ。結果として、少しでも健康や環境に対する関心も高めていただけたら嬉しいですね」。
ちなみに、「UMAMI BURGER®︎」のバンズは全て卵・乳製品不使用のものを使用。オーガニックで純粋なアーモンドパウダーでつくられたバンズは美味しいだけでなく、適度に軽い口当たりで、挟まれた具材を引き立てる役割をはたしています。
単品のメニュー展開にとどまらず、他の商品にも汎用性を持たせることでより多くの需要に応える「UMAMI BURGER®︎」。全メニューのベースとなるバンズをオーガニックなものに統一している点からも、ブランド全体としてサステナブルな取り組みと向き合う姿勢が伺えます。
いわゆるハンバーガーショップとは一線を画す“UMAMIの体験”
「UMAMI BURGER®︎」では「食事とドリンク+サービス+雰囲気=UMAMIの体験」と定義しています。商品のクオリティだけでなく、生活を豊かにする体験としてブランド価値をつくりあげているのです。
「サービス面ではハンバーガーをゆっくり「食事」として楽しめるような空間作り・提供スタイルを心掛けています。
たとえば、レストランの内観に関しては、お店の中心にカウンターを設けることでオープンで活気がある雰囲気を演出したり、お客様が楽しくなるようなインスタ映えスポットを作ってみたり。また、食事の際はナイフとフォークも一緒にお出ししています。ファストフード店というより、ステーキハウスのイメージが近いかもしれません」。
「お客様が食事も空間も楽しめるための雰囲気づくりには、スタッフの気配りが欠かせません。それを徹底するため、スタッフ全員キッチンを経験するプロセスを取り入れています。
キッチンは衛生面や商品への関心など、かなりいろんなことに気付かないと上手くまわせません。その気付きはホールとして細やかな気配りをする際のベースにもなります。お客様がどんなことを求めているか、楽しんで食事ができているかをきっちり察知しつつベストな体験を提供できるよう、スタッフ教育にも力をいれています」。
アップデートされ続ける「UMAMI BURGER®︎」
ボタニカルバーガーのように「おいしい」だけではない、サステナブルな視点を取り入れた工夫を続ける「UMAMI BURGER®︎」。今後実現していきたいことについてお伺いすると、
「日本ならではの“四季”を取り入れた商品を強化したいと考えています。
季節感のあるドリンクの開発や、旬の食材を利用するなど、その時期にしか食べられない特別感のあるラインナップを楽しんでいただけるようにしたいですね。また、Instagramとの親和性もふまえ、華やかな見た目に仕上げる予定ですので、ご期待ください」と吉田さん。
既成の概念に囚われず、お客様を飽きさせない・美味しく楽しい体験のためにどんどん新しい取り組みを行なっていきたいと言います。
「今後も、お客様が何を求めているのか、という視点での商品開発や店舗運営を大切にしたいと考えています。
ボタニカルバーガーのようなヘルシーなバーガーもあって、野菜やサイドも充実している。ナイフとフォークを使うレストランといっても堅苦しくないアットホームな空間で、気軽に来て美味しく楽しめる、そんなハンバーガーレストランを目指したいです」。
ボタニカルバーガーは全店舗で提供中。テイクアウトも対応しています。
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written by
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