お客様にとっていい「お通し」とは?

お客様にとっていい「お通し」とは?

居酒屋に入ると出てくる「お通し」。お通しはそのお店のコンセプトや質が分かるものと言われており、お客様の満足度に関わってくるとても重要なものです。今回はそんなお通しの基本と、お通しでお客様に感動してもらう方法をご紹介します。

前回の記事はこちら

飲食店の専門店化。メリットや注意点、メニュー作りのポイントを解説!

そもそもお通しとは?

居酒屋のお通し お通しとは、居酒屋などで最初に出す料理のこと。お客様を席にお通しした、という意味合いを持ち、いわば「席料」のようなものです。またお酒と料理を一緒に注文すると、料理はお酒よりもあとに提供されるため、注文した料理が来るまでのつなぎとして出されています。お酒だけでは味気ないだろうという、お店側の配慮ですね。地方によっては「突き出し」と呼ばれることもあります。

お通し代の相場と提供スタイル例

お通し代はお店にもよりますが、300円~600円くらいのところが多いようです。近年では「お通しはいらない」というお客様もいることから、最初からお通しを出さない、もしくはお客様がお通しを拒否した場合には出さないというお店もあります。また、複数のお通しを用意し、自分の好きなものを選べるスタイルなど、近年はさまざまなお客様のニーズに的確に応えられるお店が増えているようです。

お通しトラブルも?

お店にとって料理提供までのつなぎとして活躍するお通しですが、お客様とトラブルになることもあります。例えば「苦手な食べ物だった」「アレルギーだった」というお通しの中身に関するものや、注文していないのに自働的に加算されるのが納得いかないというというそもそもの仕組みに関するものなどです。また、お通しは日本独自の文化であり、海外ではこのような文化はありません。そのため、海外の方から見ると水と同じ無料サービスの一貫だと認識され、後からトラブルになるケースもあります。ではそんなお通しトラブルを防止するためにはどんなことができるでしょうか?

頼んでいないのに出てきてお金も取られてるなんて、納得いかない!

どうしよう...

トラブル防止のため大切なこと

お通しトラブルを未然に防ぐには、事前にお通しについて説明をして理解してもらうことが大切です。そしてお通し文化のない海外の方にはそもそも「お通しとは何か」を理解してもらうことから始める必要があります。

例えば

お客様への説明方法としては、

・テーブルやカウンターにお通しの内容を明示する
・席のご案内時にお通しの内容をお伝えする
・お店の公式SNSやHPに記載する

などの方法があります。お通しトラブルの原因に共通するのは「説明もなく自動的に出されること」に対する不満。事前に説明があって内容を理解するだけで、お客様のお通しに対する考えを変えることができます。

海外の方への効果的な伝え方

海外の方にに理解してもらうためには、お通しを「テーブルチャージ」であると伝えることが効果的です。テーブルチャージであれば海外に多くある習慣なので理解を得られやすいことはもちろん、お通しをテーブルチャージであるという理解をすると、日本のテーブルチャージ(お通し)はただの金額加算ではなく、サービスのような形で料理が付いてくるように見えるため、お通しを知らないトラブルから一転、好印象な文化に感じてもらえるのです。

海外の方向けには、お通しに関するPOPを作成するのも有効的

POPを作成してしまえば、どのスタッフがシフトに入っていても、外国人観光客に対して一律の説明ができます。

良いお通し、悪いお通しとは

お客様にとっていいお通し 先述したように、お通しはお店で最初に出される料理で、いわばお店の「顔」です。そのため、お通しはお店の印象を決める大きな要素となります。良いお通しであれば、お客様の満足度が上がり、イメージも良くなりますが、悪いお通しはお店のイメージダウンになりかねません。そのため適当なものを出すのではなく、きちんとお店のことが伝わる料理にすることが大切です。では、良いお通し・悪いお通しとは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

良いお通しはコンセプトが分かる

良いお通しとは、すぐに出てくること、またお店のコンセプトが分かることです。もともとお通しは、注文した料理が来るまでのつなぎです。そのため、注文後はファーストドリンクと一緒になるべく早くお出しするようにしましょう。 また、お店のコンセプトに合わせたお通しは、最初にお店の実力やこだわりなどを伝えることができるため良いお通しと言えます。例えば日本酒が売りのお店であれば、日本酒に合うもの。新鮮な海鮮が売りのお店は海鮮系のものなどです。お店独自のコンセプトが伝わるものであれば、お客様の期待感も高まります。「この店のお通しではしか食べられない」「今の季節だけ」など限定感を出すのも良いですね。自宅ではなかなか作れないものも、お通しとしての魅力が高まります。

もともとあるメニューを少しだけ出すという方法もアリ

この方法ならお通し用に別の食材を用意する手間も省け、看板メニューをお通しとして出すなどすると、お店のコンセプトも伝えることができます。おいしかった場合に再度頼んでもらえるよう、お出しする際はメニューとしても注文可能である旨をお伝えするようにしましょう。

悪いお通しは手抜きが見える

一方、悪いお通しとは、お店のコンセプトと関係がない手抜き感のあるものや利益重視に見えてしまうものです。このようなお通しを目の前にすると、お客様はこれから出てくる料理にも期待持てなくなってしまい、結果お店に対する印象を悪くしてしまいます。お店に入って最初に出てくる料理でもあるお通しは、お店の第一印象となるため、その後良い料理が出てきたとしても、一度下がった印象は少なからず残ってしまうのです。

お通しはお店の「顔」!

お通しはついつい余りの食材で簡単に作ってしまいがちですが、お店の印象を大きく左右する大切な要素であるということを念頭に入れ、「お店の魅力が伝わるか」という視点で考えて作るようにしましょう。

テストマーケティングにも使えるお通し

お通しを新メニュー開発のために利用するお店もあります。新メニュー開発では試食をしてもらい、多くの意見をもらいながらブラッシュアップすることが大切です。新メニューとして考えているものをお通しとして出すことによって、お客様からの意見をいただくことができます。また、余った食材で作ったお通しの評判が良かった場合、それを新メニューに取り入れるといった手法も可能です。

お通しで新メニューのテストを行う場合には、約2週間の期間を設けましょう。その間にお通しに対するお客様の反応を見て、味はどうか、価格適正かなどを判断し、新メニューに取り入れられるような形にしていきます。

まとめ

お通しは料理が出てくるまでのつなぎとしてだけでなく、お店の味やコンセプトを知ってもらう大切なものです。お通しでお客様に良いイメージを与えられれば、その後も繰り返し通っていただける要素となるでしょう。これまでお通しを「とりあえず」で出していた方も、本当にお客様に求められるお通しとは何かを今一度考えてみましょう。