飲食店のメニュー撮影の流れと意識すべきポイント3つ

飲食店には欠かせない写真撮影。大規模なリニューアルの際はプロに頼む場合も多いかもしれませんが、最近はSNSやGoogleマイビジネスなど、ひんぱんに更新したい場所も増えています。「スマホで完結させたいけど、なんだか納得いく写真に仕上がらない…」そんなお悩みを抱えている方も多いのでは。本連載では、スマートフォンで見栄えの良い写真をとるためのコツをご紹介します。第3回は、料理撮影の流れと意識すべきポイントをご紹介します。

第2回はこちら

飲食店はDL必須!フード系おすすめ撮影・写真加工アプリ

店舗での撮影の流れ

使うカメラの性能にかかわらず、とても大切になってくるのが料理の状態です。 本来温かい状態で提供する料理が冷えてしまうと、見た目も変わります。水分が少なくなりカピカピになってしまったり、野菜がしなびてしまっている状態では、おいしそうな写真は撮れません。

商品撮影の際は、事前に撮影予定の品数や撮影場所など、準備を整えましょう。

ここからは、ステップに分けてご説明します。

1 撮影内容の確認

・撮影する料理の数は?
・それぞれどのような特徴の料理か?

熱々でぶくぶくしている状態が撮りたい、麺が伸びないうちに撮りたいなど急いで撮影する必要があるものは、事前に調理担当者と共有の上、料理が出来上がったらすぐに撮影できる状態にできるよう段取りましょう。

また、複数の料理が次々に完成してしまうと撮影が追いつかない可能性があります。

慣れないうちは1品撮影してみて、納得できる写真が撮れるまでどのくらい時間がかかるか測り、目安を把握しておきましょう。 その上で「15分後以降に次の料理を出してほしい」など調理担当者と連携できるとスムーズです。

2 撮影場所の選定

撮影する背景を片付けよう
撮影場所はまず整頓!

準備の段階で「どこで撮影するか」を事前に決めましょう。 このとき、店舗内で一番光が当たる明るいテーブルを選んだ上で、卓上の不要な物は片付けます。

キッチン調理台、事務所の机など、料理を食べる場所以外はNG

写真を撮る背景を大切に
調理台で撮りがちですが、おいしそうに撮影するのが難しくなります

テーブル上には、食事に関係のないものを置きっぱなしにしない

写真を撮る背景は整理整頓を
(ちょっと極端な写真ですが)写真に関係ないものが映り込まないように事前に整理しましょう

3 料理の準備

撮影場所を決めたら、次に撮影する料理の順番を決めます。1品のみ撮影する方は次の手順へ進んでください。

一度に複数メニュー撮影する場合は、少し時間が経ってしまっても見た目の劣化が出づらいメニューから撮影をはじめましょう。

撮影開始直後よりも、慣れてくる中盤以降のほうが写真の出来が良くなりやすいので、特にメイン料理など目を引く料理や出来立てすぐにバッチリ決めたいメニューは、はじめでなく後半に順番がまわってくるよう調整することをおすすめします。

例えば…

まず冷菜盛り合わせからスタート。ちょうどいい撮影角度や光の当たり具合がイメージとあってるか確認しながらポジションを微調整。次にサラダやおつまみを撮影して、満を辞してメイン料理へ!

4 撮影

場所・料理ともに準備ができたらついに撮影です。 料理を撮影する場合、カメラの角度は料理に対して「ななめ45度の高さ」から撮影するとおいしそうな写真を撮りやすくなります。基本の撮り方として覚えておきましょう。

45度の角度から写真を撮る

さらに、逆光から45度ずらすと影の角度により料理に立体感が出ます。

料理写真に大切な逆光
逆光とは、カメラレンズの向かい側に光がある状態。逆は順光と言って、カメラの背から光がさしている状態を指します。

料理写真の入射光の角度
逆光から45度ずらしましょう

もちろん慣れてきたらさまざまな角度や構図にチャレンジしていただきたいのですが、まずは以上ふたつの「45度」を極めてみましょう!

くわえて意識したいのが撮影した写真の「統一性」です。単体の写真で見ればあまり関係ありませんが、複数の写真を撮る際、いろんな角度で撮ると印象がバラバラになりがち。同じ角度で統一して手で撮影するときれいに仕上がります。

このとき、スマートフォンを直接手で持ちながら撮影するとどうしても写真ごとに角度が変わってしまうので、できれば三脚を用意するとなお良いでしょう。

スマホクリップがついた三脚など、数千円で販売されている商品がたくさんありますので、検討してみてください。

意識すべきポイント

どんな料理を撮る時にも共通して意識したいポイントを3つご紹介します。

1:その料理を実際に食べる雰囲気を演出してみよう

料理を食べる際にはカトラリーや取り皿などを使いますね。撮影の際も、料理皿ひとつよりも、お皿のまわりも配置にも気を遣えると、食事するイメージを持ちやすい写真に仕上がります。

料理写真の背景に小物を並べてみよう

2:写真に映り込む物は、全て料理の評価になる

壁に貼ってあるポスター、背景に映り込むキッチン、無関係な小物、ドアの向こうの通行人…。

料理を撮影するときにはその料理にのめり込みがちですが、写真に映り込む要素すべてを客観的に見直して「その写真で伝えたいもの」以外は入らないようにしましょう。

3:美味しそうと思える瞬間を撮影する

自分自身が写真を見て「美味しそう」と思えなければ、お客様も同じく魅力を感じてもらえません。

角度を変える、被写体に近づく、もしくは引いてみるなど、その料理の美味しそうな角度を探して撮影してください。本連載第1回でもくわしくご紹介していますのでご参考にどうぞ。

第3回はここまで。次回は飲食店の商品撮影、ポイントは角度と構図にあり!をご紹介します。

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