新メニュー開発・リニューアルの手順、自己流になりすぎていませんか?

飲食店運営をつづける上で、言わずもがな大切である新メニューの開発。リピーターを飽きさせずに新しいお客様へのアプローチにもある一方で、利益率のバランスを調整していく役目の担います。今回は、新メニュー開発の仕方についてあらためて手順をまとめてみました。

新メニュー、なぜ必要?

飲食店に続けて足を運んでもらうためには「新メニュー」が大切です。どんなに好きなものでも、毎日食べていたら飽きてしまいますよね。これは飲食店にも同じことが言えます。どんなに人気のメニューがあっても、それだけであれば飽きられてしまいます。

また新メニューは、新しいお客様を取り入れる手段にもなり得ます。近年はSNS(特にInstagram)がきっかけでお店に訪れる人も増えています。写真映えや話題性、インパクトのあるメニューを取り入れることで、いままでリーチできなかったお客さまに知っていただけるきっかけになります。このように、時代にあった集客方法を考えながらメニュー検討に取り組むことで、リピーターを飽きさせず、また新しいお客様の獲得をねらえます。

「新鮮さ」と「限定感」を意識しよう

新メニューを取り入れる際は「なぜ自分の店でそのメニューを頼むのか」「近隣の競合店で出していてたら違和感があるくらい差別化できているか」を考えたいところ。お店で似たようなラインナップになりすぎていないか、独自性を保てているかを意識しましょう。

新メニュー開発のフロー

新メニュー開発はやみくもにやれば良いというわけではありません。しっかり手順を踏んで行うことで、お客様を惹きつけるメニューが出来上がります。 新メニュー開発は、以下9つの手順で行います。

  1. 既存メニューの動向を分析
  2. コンセプト考案
  3. 企画
  4. 開発
  5. 原価計算
  6. レシピ作成
  7. 仕入れ先選定
  8. 試食
  9. 現場導入

メニューブックは必要コストとあわせて検討

もし、あなたのお店のメニューブックが「1品変更するたびに全体を印刷し直す必要がある」かたちの場合は、新メニューお披露目のタイミングでは必ずしもメニューブックまで変更せずに、本日のおすすめや限定メニューとしてお出しするほうが望ましいでしょう。売れ行きによっては販売中止の可能性もあるためです。メニューブックの取り扱い方法については別の回でご紹介しますね。

既存メニューの動向を分析

やみくもに新メニューを追加してしまうと、どの商品の売れ行きがいいのか、利益率を確保できているか、全体を通してみてどんな傾向があるか、などをしっかりとした数字を見ずに自分だけの感覚に頼ることになります。

メニューごとの販売実績や利益率を計算したうえで、どんなメニューを変えるべきか考えましょう。

具体的には、「売上」「粗利」の2つで各商品を計算し、どちらにも貢献できていないメニューをけずり、新メニューはどのポジションの商品とするかを考えます。

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このように各メニューのポジションを考える必要があります

計算方法については別の記事でくわしく解説しますので、本記事では割愛します。

コンセプト考案

売上にはつながるが原価が高くなりがちな目玉メニューが足りていないのか、原価を抑えた貢献度の高いメニューを増やすべきなのか?など既存メニューの動向を分析を整理できたら、新メニューのコンセプトを考えます。

コンセプトはお客様に食べていただきたい食材や、どんな体験をしてもらいたいのかを考えながら決めましょう。

大前提にお店のコンセプトがあることを忘れない

40代の男性が仕事帰りに1人でふらっと飲みに来る居酒屋の場合、「Instagramで話題!若い女性に大人気なスイーツ」を提供しても、そもそものターゲットが異なりますね。極端な例ですが、常にお店のターゲットは誰なのか、どんなシチュエーションでご来店いただくかを優先しましょう。

企画

コンセプトが決まったら、企画を立てます。例えば「仕入れもしやすい地元のおいしい野菜を使った料理を作ろう」「冬に鍋物フェアをやりたい」という方向性の場合、まだお店側の思いが中心で、お客様が望んでいるかは分かりません。そこで企画の段階で、お客様に望まれるメニューに変えていきます。

例えばお鍋ひとつとっても、ターゲットが若い女性のお店なら、落ち着いた見た目よりも華やかな色味を好みますし、他の料理も食べられるように量も少なめに設定する必要があります。逆に男性向けのお店なら、わかりやすく、かつボリュームも多めが好まれます。

開発

企画で作るメニューが決まったら、いよいよ開発です。開発をする際には「仕入れられる食材か」「調理担当のスタッフの技術で作れるか」が大切です。この2つのどちらかでも欠けているとメニューが作れません。新しい仕入先を探したり、作れる技術を持っている人を雇ったりする必要が出てきます。

また開発の際には、食器や盛り付けも考えましょう。具材の色を引き立たせたり、インパクトのある見た目にしたりすることで、お客様に与えるメニューの印象が変わります。

原価計算

開発と一緒に進めておくべきなのが原価計算。下記が目安です。

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ただし、飲食店では原価率が高めで集客しやすいメニューと、原価率が低くて一定の人気があるメニューを同時に販売にすることで、全体のバランスをとっています。作るメニューは何を目的にしているのか、そのためにどの程度の原価率が適正なのかを考えましょう。

調味料やソースも注意!食材の数は増やしすぎないように

メニューにこだわるあまり、1品のみでしか使わない材料が増えてしまうと、使いきれず廃棄しなければならなかったり、冷蔵庫のスペースが埋まってしまったり、キッチンの効率が下がったりと、さまざまな問題のもとになります。食材の一覧表をつくるなどして管理すると良いでしょう。

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レシピ作成

メニューの内容が固まったら、レシピを作成します。レシピは誰が作っても同じ味になるように、調理の流れや食材の分量などを分かりやすく記載しましょう。

ここを適当にしてしまうと原価率が上がる原因に

調味料やソースを「適量」としたり、切り分けるサイズをあやふやにしてしまうと、当初計算していた原価率を上回ってしまう可能性があります。特にアルバイトやジュニアクラスのキッチンにお願いする場合はしっかり明記しましょう。

仕入先選定

メニューが固まり、使う材料が決まったらまずメインとなる仕入先を選びましょう。ここで取扱いのないものは、さらに専門的な業者を探します。このほかにも農家から直接野菜を買い上げるなどの方法もあります。

試食

お客様に提供する前に、新しいメニューの試食会を行います。お店がアピールしたい点とお客様が求めているものは、想像しているだけでは大きくズレてしまいます。そのため、お客様視点で正直な意見を交わすことが大切です。味はもちろん、ボリュームやお皿を含む見た目の印象、カトラリーにも意見をもらうと良いでしょう。

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改善点がある場合は改善し、再度試食会を行って、メニューをブラッシュアップしていきます。

現場導入

試食会を重ね、お客様に提供できるものになったら、現場に導入します。実際にお客様に提供する前に、提供のための調理器具や食器、材料は揃っているか、レシピは分かりやすいかなど、不足がないか確認しましょう。

アイディアが出ない!そんなときは?

新メニューを考える際には、インプットも大切です。もしなかなか新メニューのアイディアが浮かばない場合は、色んなお店を食べ歩いてみたり、SNSやレシピサイトなどで参考になりそうな料理を探したりしてみましょう。その上で「うちのコンセプトに合わせるとこうなるかな?」と考えてみると、良いアイディアが浮かぶことがあります。

とくにSNSは、最新のトレンドをつかむのに便利です。写真が掲載されていることも多いため、日々のリサーチにうってつけです。

意外と大切?ネーミング

新メニュー開発では、ネーミングも大事。例えば、以下のような2つのメニューがあったとします。

  • パンケーキ
  • フルーツたっぷりふわふわパンケーキ

どちらの方が頼みたくなりますか?おそらく、後者の方を頼みたいという方が多いと思います。

なぜなら後者の方が、メニューのイメージが湧きやすいためです。前者はどんなパンケーキか全く想像がつきませんが、後者はフルーツがたくさん載ったふわふわ食感のパンケーキであると想像できます。このように、食材や調理方法、五感を刺激するようなワードを盛り込むと、お客様はイメージが湧いて頼みやすくなります。

なお、いくら食材や調理法を盛り込むと言っても、あまり長いメニュー名はおすすめしません。長すぎると注文の際に大変なためです。メニュー名は注文しやすい長さに収めるようにしましょう。

まとめ

新メニュー開発には、コンセプトや利益、ネーミングなどさまざまなポイントが絡んできます。しかし、ポイントを押さえながら取り組めば、よりよい改善につながりますです。紹介した流れを参考に、手順の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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