【必要許可まとめ】テイクアウトの基本ルール、守れていますか?

コロナ禍でテイクアウトやデリバリーのような店内飲食以外の販売方法に取り組んでいる飲食店が増えました。ですが、意外と見落とされているルールが実はたくさんあり、無意識に法令違反をしているケースも。今回はテイクアウトにしぼって必要な許可をまとめます。

結局、許可は必要なの?

東京都渋谷区の生活衛生課食品衛生係からのアナウンスによると、「お店で調理したそうざい、弁当をお客様にお持ち帰りいただく範囲であれば、飲食店営業の許可の範囲で問題ありません」。

そうざいとは、煮物や焼き物、炒め物、揚げ物、蒸し物、酢の物やあえ物などを指します。そうざいの原料や家庭で一手間加える必要があるような中間製品や、通常そのまま提供されない珍味は含まれません。

弁当とは、いずれもそのままで食べることができるおかずとごはんを詰め合わせたものを指します。サンドイッチなどの調理パンも含まれます。

作り置きはNG?

飲食店内でお客様が注文して食べる量を超えて作り置きをしたり、真空脱気包装や冷凍処理など日持ちさせることを前提とした商品を販売する場合は、作るものに応じた製造業等の許可が必要になります。

弁当とそうざい以外は?

まずは菓子(おかし)。 菓子とは、パン、もち菓子、ケーキ、あめ、焼菓子、干菓子を指します。 1商品のボリュームにかかわらず、飲食店で作った菓子をテイクアウト販売する場合は、菓子製造業の許可が必要です。

くわえて、許可をとるためには施設基準にあわせる必要があります。自分のお店の図面を持って対象の保健所に相談に行きましょう。

さらに、当日の販売見込み分を超えてつくって容器包装に入れるといった場合は、食品表示法に基づく表示(原材料名、添加物、保存方法、消費期限、栄養成分など)が必要です。当日販売見込み分を越えなければ、容器包装に入れたとしても表示の義務はありません。

ほかにも、以下のような食品は許可が必要とされています。

業種 対象となる製品
あん類製造業 つぶあんやこしあんなど
アイスクリーム類製造業 アイスクリーム、アイスシャーベット、アイスキャンデー、その他液体食品またはこれに他の食品を混ぜたものを凍結させた食品
乳製品製造業 粉乳、練乳、発酵乳、クリーム、バター、チーズ、その他乳を主原料とする食品
食肉製品製造業 ハム、ソーセージ、ベーコン、その他これらに類するもの
魚肉ねり製品製造業 魚肉ハム、魚肉ソーセージ、鯨肉ベーコンその他これらに類するもの
清涼飲料水製造業 ジュース、コーヒーなどの清涼飲料水
乳酸菌飲料製造業 乳などに乳酸菌または酵母を混和して発酵させた飲料で、発酵乳以外のもの
氷雪製造業
食用油脂製造業 動物性、植物性を問わず、サラダ油やてんぷら油などの食用油脂
マーガリン又はショートニング製造業 マーガリンまたはショートニング
みそ製造業 みそ
醤油製造業 醤油
ソース類製造業 ウスターソース、果実ソース、果実ピューレー、ケチャップまたはマヨネーズ
酒類製造業 酒の仕入から搾りまでを行う場合
豆腐製造業 豆腐そのものの製造
納豆製造業 納豆
麺類製造業 生めん、ゆでめん、乾めん、そば、マカロニなど
そうざい製造業 通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む。)、焼物(いため物を含む。)、揚物、蒸し物、酢の物又はあえ物
かん詰又はびん詰食品製造業 かん詰又はびん詰食品。ただし、他の法許可業種(添加物製造業を除く)に該当するものを除く
添加物製造業 食品衛生法第11条第1項の規定により規格が定められた添加物
乳処理業 牛乳(脱脂乳その他牛乳に類似する外観を有する乳飲料を含む)または山羊乳の処理、製造
特別牛乳さく取処理業 牛乳を搾取し、殺菌しないか、又は低温殺菌の方法によって、これを厚生労働省令で定める成分規格を有する牛乳に処理する
集乳業 生牛乳または生山羊乳を集荷し、これを保存する
食肉処理業 食用の目的でうさぎやいのしし等をと殺もしくは解体する営業、又は解体された鳥獣の肉、内臓などを分割、細切りする
食品の冷凍業又は冷蔵業 魚介類を冷凍または冷蔵する、または冷凍食品を製造する
食品の放射線照射業 食品に放射線を照射する
調味料等製造業 チャーハンのもと、だしのもと、カレールーその他の調味料及び七味唐辛子、カレー粉、さんしょう粉その他の香辛料
つけ物製造業 塩漬け及びぬか漬け以外の漬物
製菓材料等製造業 生種、いり種、コーンカップ、アンゼリカ、フォンダント、フラワーペースト、その他の製菓材料並びにジャム及びマーマレード類
粉末食品製造業 粉末ジュース、インスタントコーヒー、みそ汁のもと、ふりかけ類、ドーナツのもと、その他の粉末食品

見落としに御用心

お肉や魚介を含む鍋セットや、家庭で焼く焼肉セットなど、上記に該当する食品が含まれる商品は許可を得る対象になります。不安な場合は、保健所に相談して「こういう商品を扱いたい」と具体的に説明しましょう。

冷凍した商品は?

上記のとおりの許可に加えて、食品の冷凍業の許可が必要です。そうざいならばそうざい製造業+冷凍業、ということになります。

ちなみに、冷凍食品とは「製造し、又は加工した食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、魚肉練り製品、ゆでだこ及びゆでがにを除く)および切り身又はむき身にした鮮魚介類(生かきを除く)を凍結させたもの」と定義されています。

お酒をテイクアウト販売したい場合は?

基本的に、酒類小売業免許が必要です。

こちらについては2020年にコロナの影響を考慮した国税庁が、期限付酒類小売業免許の交付をスタートしたため、2020(令和2)年6月30日までに申請した飲食店に限り許可がおりています。なお、現時点では申請期限自体の延長はされていません。

ただし、令和2年11月30日までに対象の税務署に申出書を提出し、一定の要件を満たしたお店は、免許の有効期限が2021(令和3)年3月31日まで延長できます。

延長を希望する場合は「料飲店等期限付酒類小売業免許の期限延長の申出書」と必要書類をあわせて税務署に提出する必要があります。

仕入れたものをそのまま販売したい場合は?

対象の食品に応じた販売業の許可が必要になります。以下のとおりです。

業種 対象となる製品
食料品等販売業 弁当類、そうざい類、乳製品、食肉製品、魚介類加工品等
乳類販売業 直接飲用に供される牛乳、山羊乳若しくは乳飲料(保存性のある容器に入れ、摂氏115度以上で15分間以上加熱殺菌したものを除く)または乳を主要原料とするクリーム
食肉販売業 食肉(骨や内臓を含む)、食肉の調味品など
魚介類販売業 鮮魚介類、鯨肉など

移動車や屋台を使いたい場合は?

厨房とは別の場所で販売する際にも、許可申請が必要となる場合があるので注意が必要です。

移動車(キッチンカー、フードトラック)

車内で食材を調理して提供する場合と、店で調理済みの商品を移動して販売する場合に分かれます。

車内で食材を調理して提供する場合は「食品営業自動車」の許可が必要です。また、調理すべてが許可されるわけではなく、温めや盛り付けなど簡単な加工に限られます。

調理済みの商品を移動して販売する場合は「食品移動自動車」の許可が必要です。扱えるものはあらかじめ包装された食品に限られているため、調理加工はできません。

いずれも保健所に車の使用についての許可を、各自治体に営業の許可をそれぞれ取得する必要があります。

屋台

基本的に、お祭りなど定められた期間以外での屋台販売は認められません。屋台を検討したい場合は、保健所に説明し個別で許可を得られるか相談しましょう。

また、屋台とまではしなくとも、テイクアウト用に店舗外で商品を販売したい場合も保健所の許可が必要です。常設の店舗より衛生面の心配が多いため、必ず許可が下りるとは限りませんのでご注意ください。

注意!地方自治体や保健所によって解釈が異なることも

同じ商品を製造販売していても、お店によって得ている許可が異なるケースもあります。

まず「テイクアウトを始める場合はプラスで許可が必要になる可能性がある」と認識した上で、対象の保健所に相談しましょう。

基本ルールを守って、店内飲食以外の活路を見出そう

お店で調理したそうざい、弁当をお客様にお持ち帰りいただく範囲であれば、飲食店営業の許可の範囲で問題ないものの、たくさん作りたい場合や販売場所の変更など条件がくわわると、見落としがちなルールがたくさんあります。

お客様に安心安全な商品を提供し、末長くお店を続けるためにもルールに沿った対応をすすめましょう。

今回はここまで。

次回は【2021年最新】こんな工夫もある!テイクアウトの最新事情をご紹介します。

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2021年6月1日より、すべての食品事業者に義務づけられることになった衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」。飲食店の事業者はもれなく対象です。こちらに詳細をまとめていますのでぜひご覧ください!

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