飲食店の専門店化。メリットや注意点、メニュー作りのポイントを解説!

近年、餃子やサラダ、たらこパスタなど、一つのテーマに特化したメニューを打ち出す専門店が増えています。特徴がある専門店は、ほかの多くの飲食店と差別化することができるので、チャレンジしたいと考える人も少なくないでしょう。今回は、専門性を高めたメニューで勝負する飲食店の作り方をご紹介します。

前回の記事はこちら

売れる居酒屋メニューって?商圏に合わせたメニューの考案方法

メニューを専門化するメリットは?

メニューを専門化する飲食店が増えつつある背景には、近年の飲食店事情と専門化のメリットがあります。詳しくみていきましょう。

他店との差別化に繋がり、売りを明確にアピールすることができる

日本の飲食店開業件数は年間16万件(※H29)というデータがあるほど、競争率の激しい飲食業界。数ある飲食店の中から自分のお店に注目してもらうためには、他店舗との差別化が欠かせません。その上で、お店の売りが何なのかを明確に定め、お客様に知ってもらうことが大切です。

飲食店の数は年間16万件

お店の売りというと、たとえば写真映えするメニューを考案する・珍しい食材を使う・凝った内装にするなど、さまざまなものが挙げられますが、その売りを「お客様に知ってもらう」という点に着目したとき、最も伝わりやすい手段が「専門店化」することです。食材や調理法に一貫したテーマがあるため、メニューやお店をみたお客様はそのお店の売りをすぐに理解することができます。

ただ「居酒屋」というよりも、「〇〇専門店」の方が売りは明確だね

話題性アップ

新店OPENやメニューリニューアルで上げていきたいのが話題性。食材や料理に一貫したテーマがある専門店は、お客様にとって大変分かりやすい=SNSやメディアなどでも注目されやすい・話題にしやすいという特徴があります。SNSやメディアで話題性が上がれば、それは大きな集客に繋がります。お店からの発信もあわせて行えば、より多くのお客様に周知させることができるでしょう。

ハンバーグ専門店「挽肉と米」の例
ハンバーグ専門店「挽肉と米」の例

仕入れや仕込みの内容がシンプルになる

メニューを絞った専門店は、必要な材料が限られるため、オールラウンドなメニューを提供するお店と比較すると、仕入れや仕込みの内容がシンプルになります。専門とするからには食材や調理方法にこだわりを持たせるため一概には言えませんが、たとえば、チーズやアボカドなど、食材でテーマを絞ったお店の場合は仕入れがシンプルになりますし、スモークや煮込みなど、調理方法にテーマを絞ったお店の場合は仕込みの内容がシンプルになるなどです。

原料単価の抑制・食材ロスの減少に繋がる

原料単価の抑制・食品ロスの減少 1つのテーマでメニューを作り上げるということは、仕入れる食材の種類が絞られるということです。当然、仕入れ先も絞られることとなり、まとめ購入で原料単価を抑えることができます。また、サラダや刺身、焼き魚、ステーキ、唐揚げなどさまざまな料理を出すお店では、仕入れる食材の種類が多く、日によって提供する量も異なるためどうしても食材ロスのリスクが高くなってしまいますが、専門店の場合は、絞られた食材を多くのメニューでつかっていくため、食材ロスのリスクを低くすることができます。

専門性を高めるメニューの作り方

メニューを専門化させる際、最も重要なのは「どのような切り口でメニューを決定するか」です。テーマを広げすぎると「専門」からかけ離れてしまいますし、かといって、絞り過ぎて大衆受けしなければ長続きするお店にはなりません。失敗しないためにも、専門店化したメニュー作りのポイントをチェックしておきましょう。

テーマを大衆性が高い「食材」か「料理」に定める

専門店で多いのが、「食材」もしくは「料理」のどちらかのテーマに絞ったものです。「食材」を切り口にするのであれば、アボカドやチーズ、エビといった一つの食材に特化し、さまざまな食べ方を提案するお店があります。最近は発酵食品や出汁といった、食材をテーマにする店も人気が高まっています。一方、「料理」が切り口であれば、たらこパスタやサラダ、カレーなど一つの料理を追求し、そのお店ならではのクオリティが高い逸品を提供していきます。あまりにニッチなテーマにすると、そもそも需要が少ないため集客が難しく、リピーターの獲得も困難になります。絞り過ぎず、大衆性の高いテーマを追求するようにしましょう。

より多くの楽しみ方を提供する

より多くの楽しみ方を提供する 専門店の魅力は、1つの食材なり料理で楽しめる種類の多さや、その完成度にあります。お客様は、家や一般的な飲食店では食べられない、発想やクオリティが高い味を求めているのです。例えば、日本初のマッシュルーム料理専門店「MUSHROOM TOKYO」では、マッシュルームのジェラートを提供。誰もが一度は食べたことある食材を、食べたことがない調理法で提供し、多くのファンを集めています。このように、これまでにない食材の組み合わせや、新しい食べ方の考案などを重ね、1つのテーマでより多くの楽しみ方を提供していくことが大切です。

お客様にとっては、知っている食材や料理に新しい発見があるのも専門店を利用するメリット!

「〇〇ってこんな食べ方もあるんだ!」というような、訪れた人に発見や感動を与えるようなメニュー作りを意識しましょう。

見た目にもこだわってみる

大衆性のある食材や料理だからこそ、提供する際は、その見た目や提供方法にお店ならではの工夫を施してみましょう。例えば、最近増えつつある「たらこパスタ」の専門店では、明太子一腹をそのまま盛り付けたり、器を通常のパスタ皿ではなく小鍋型にしていたりと、思わず写真を撮りたくなるようなメニュー作りにこだわっているお店が多くあります。お客さまの前で食材をバーナーで炙って仕上げるなど、動画映えする演出などの工夫も〇

身近な食材や料理をテーマとする場合は、自宅では実現できない、外食ならではの価値観の提供ができているか?という点もメニュー専門化の際のポイントです。

メニューを専門化する際に注意すべきポイントは?

もちろん、メニューの専門化ならではの注意点もあります。テーマを定める前に把握し、注意点をカバーできる対策を考えることが大切です。

注意点1:流行に左右されやすい

一つの食材や料理に特化する専門店は、流行に左右されやすいという注意点があります。近年では、タピオカドリンクがその一つ。多くの専門店がオープンし、流行がピークの頃は、なんと5時間以上待ちの行列ができるお店もありましたが、ブームが過ぎると人はまばらに。現在、行列ができるお店は限られています。このように、専門店はテーマとする食材や料理が流行にのった場合は爆発的な人気をみせる一方、流行が落ち着くと一気に注目度が下がってしまい売上が安定しなくなってしまう可能性があります。

流行にのったテーマに定める場合は、流行が落ち着いたあとも、いかに固定客を確保できるかが課題です。このリスクを軽減し長く続くお店を目指すためにも、テーマを決める際は、流行と大衆性のバランスを考えた食材や料理で検討しましょう。

話題性と大衆性

注意点2:テーマによってはオフシーズン対策が必要であること

夏に人気のかき氷店、冬の需要が高い焼き芋店など、季節によって繁忙期と閑散期の差が大きな専門店はオフシーズンにいかに収益を出すのかが課題となります。オフシーズンを乗り越えるためにも、夏に繁忙期を迎える専門店であれば、冬はクリスマスやバレンタインといったイベントとコラボしたメニューを打ち出したり、その時期しか食べられない食材と組み合わせたメニューを作るなどのひと工夫が必要です。季節の影響はある程度予測できるので、メニューを専門化する前にオフシーズン対策をしっかりと検討しておきましょう。

ほかにはないオリジナリティが強い武器となる専門店で勝負

多くの飲食店が並ぶなかでお客様に選んでいただくお店となるためには、オリジナリティが重要になります。「どこにでもある店」ではなく、「ここにしかない店」であることは、大きな強み。どのようにオリジナリティを出していくかはそれぞれですが、メニューの専門化はその手段として有効です。注意点を考慮しつつ、最適なテーマでお客様に選んでいただけるお店つくりを行いましょう。

次回は「お客様にとっていい「お通し」とは?」を紹介します。

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written by

FOOD-IN編集部

FOOD-IN編集部ライターが未来の飲食店をつくるための経営ノウハウをどのメディアより”分かりやすく”をモットーにお届けします。